太陽光発電は、設置したあとも点検が必要です。太陽光発電協会の保守点検ガイドラインでは、設置1年目、5年目、9年目以降は4年ごとを目安に、専門の技術者が点検することが推奨されています。あわせて、毎月1回程度の目で見る点検(日常点検)は、持ち主が自分で行えるものとされています。
国の委員会の資料では、太陽光発電協会へのヒアリングの結果として、3〜5年ごとに1回程度の定期点検が推奨されていて、1回あたりの点検費用の相場は約3.8万円程度(5kWの設備を想定)とされています。
省エネ相談室のアンケートでも、引き渡しのときの不安や疑問として「メンテ、保障など」「メンテナンスについて、」と書いてくださったお客様がいました。この記事では、点検の時期、点検で見るところ、自分でできること、費用の目安をまとめます。

目次
点検はいつ?太陽光発電協会のガイドラインの目安
太陽光発電協会が2023年のセミナーで示した資料では、「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」をもとに、点検の時期と目的が次のように整理されています。
| 点検の時期 | 点検する人(推奨) | 目的 |
|---|---|---|
| 設置1年目 | 専門技術者 | 機器・部材・システムの初期の不具合を見つけ、補修する。施工上の不具合や初期不良を見つけることが、長く使ううえで大切 |
| 設置5年目 | 専門技術者 | 機器・部材の劣化や破損の状況を確かめ、補修する |
| 9年目以降(4年ごと) | 専門技術者 | 劣化・破損の確認と補修に加え、保証期間を確かめ、消耗部品の交換などを行う。設備を更新する時期も検討する |
| 20年目以降(4年ごと) | 専門技術者 | 劣化・破損の確認と補修。設備を更新する時期を検討する |
| 日常点検(毎月1回程度、地震・台風・悪天候・火災・落雷などのあと) | 持ち主 または 専門技術者 | 目で見て確かめる。異常があれば専門の業者に点検を頼む |
※太陽光発電協会「住宅用太陽光発電の設計と施工」(2023年)より
国の資料では「3〜5年ごとに1回程度」
国の委員会(調達価格等算定委員会)の2026年1月の資料には、太陽光発電協会へのヒアリングの結果として、5kWの設備を想定した場合に次の内容が載っています。
- 発電量を保つことと安全の確保のため、3〜5年ごとに1回程度の定期点検が推奨されている
- 1回あたりの定期点検費用の相場は約3.8万円程度
- パワーコンディショナ(パワコン)は20年間で一度は交換され、38.4万円程度が一般的な相場
点検の費用は、点検の内容や設備の大きさで変わります。この金額は全国の相場で、実際の金額は点検を頼む会社に確かめてください。パワコンの交換の時期と費用は、こちらで解説しています。
点検ではどこを見る?
同じ資料には、屋根に設置した住宅用の太陽光の定期点検の例が載っています。その一部です。
| 見るところ | 何を確かめるか |
|---|---|
| 屋根材 | 破損や位置ずれがないか。金属屋根にさびが出ていないか |
| 屋根裏・天井裏 | 結露や雨漏りのあとがないか |
| 排水路(雨どいなど) | 詰まりがなく、水がたまっていないか |
| パネルの表面 | ひどい汚れ、傷、破損がないか |
| パネルの裏側・端子箱 | 汚れ・破損・変形がないか |
省エネ相談室でも、設置後のメンテナンスとして、接続箱のケーブル・配線の施工状態の確認、架台のボルトのゆるみのチェック、ケーブル・アース線の施工状態の確認に取り組んでいます。パネルだけでなく、配線も含めて点検・計測をしています。

自分でできること・できないこと
自分でできるのは「目で見る点検」
ガイドラインでは、日常点検はシステムの異常や不具合を早く見つけ、安全を確保し、故障を防ぐためのもので、工具や計測器を使わない、目で見る確認が中心とされています。点検の結果、異常があれば、メーカーなど専門の技術者(配線のことは電気工事業者)に相談するように、とされています。
たとえば、次のようなことは地上や家の中から確かめられます。
- モニターやリモコンで、発電量がいつもより大きく下がっていないか、エラーの表示が出ていないか
- 地上から見て、パネルや部品がずれていたり、落ちていたりしないか
- 天井や壁に、雨漏りのしみが出ていないか
屋根には上らない
屋根の上の点検は、自分で上らず、設置した会社などに頼みましょう。屋根の上は落ちる危険があります。また、台風などで壊れたパネルは、光が当たると発電して感電するおそれがあります。台風の前後の備えは、こちらで解説しています。
蓄電池は、自分で交換やメンテナンスをするものがない機種も
蓄電池は、メーカーの案内を確かめましょう。たとえばニチコンの単機能蓄電システム(16.6kWh)のよくある質問では、「お客さまご自身で交換やメンテナンスをして頂くことはありません」とされていて、蓄電池を長く使うための「メンテナンスモード」が1年に1回、自動で動くと案内されています。蓄電池の寿命と保証については、こちらで解説しています。
「点検は義務」と言われたら
突然訪ねてきた業者に「点検が義務化された」「無料で点検する」と言われ、高額な契約につながる「点検商法」の相談が、自治体に寄せられています。点検を頼む先は、自分で選べます。設置した会社やメーカーに確かめましょう。
→ 太陽光の点検商法に注意|「無料点検」「義務化」と言われたら
点検を頼む前に、手元にそろえておくもの
- 取扱説明書と保証書(保証の期間と、保証を受けるための条件を確かめる)
- 設置した会社の連絡先
- 設置した日と、機器の型番
太陽光発電協会の資料では、設置した会社は、引き渡しのときに取扱説明書・保証書・検査成績書などを渡し、安全に使えるように説明することとされています。
省エネ相談室では、配線・架台の確認などのメンテナンスに取り組んでいます。お気軽にご相談ください。
よくある質問
太陽光発電の点検は何年ごとにすればいいですか?
太陽光発電協会の保守点検ガイドラインでは、設置1年目、5年目、9年目以降は4年ごとが目安とされています。国の委員会の資料(太陽光発電協会へのヒアリング)では、3〜5年ごとに1回程度の定期点検が推奨されています。
点検の費用はいくらですか?
国の委員会の資料では、5kWの設備を想定した場合、1回あたりの定期点検費用の相場は約3.8万円程度とされています。点検の内容で変わるため、頼む会社に確かめてください。
点検は自分でできますか?
自分でできるのは、地上や家の中から目で見る日常点検です。太陽光発電協会のガイドラインでは、毎月1回程度が目安とされています。屋根の上には自分で上らず、屋根の上の点検は設置した会社などに頼みましょう。
蓄電池にもメンテナンスは必要ですか?
機種によります。たとえばニチコンの単機能蓄電システム(16.6kWh)は、お客様自身で交換やメンテナンスをするものはなく、メンテナンスモードが年に1回自動で動くと案内されています。お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。
まとめ
- 点検の時期:設置1年目、5年目、9年目以降は4年ごと(太陽光発電協会のガイドライン)。国の資料では3〜5年ごとに1回程度が推奨
- 費用の目安:1回約3.8万円程度、パワコン交換は20年で一度・38.4万円程度(5kWを想定した全国の相場)
- 自分でできること:毎月1回程度の目で見る点検。発電量やエラー表示を確かめる。屋根には上らない
- 「点検は義務」と迫られたら:頼む先は自分で選べる。設置した会社やメーカーに確かめる