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ニチコンの蓄電池の評判は?トライブリッドの仕組みと容量・保証を施工事例58件から解説
ニチコンの蓄電池の評判は?トライブリッドの仕組みと容量・保証を施工事例58件から解説

家庭用蓄電池を調べていると、必ず名前が出てくるメーカーの一つがニチコンです。「トライブリッド」という言葉を目にして、他と何が違うのか気になった方も多いはずです。

この記事では、ニチコンの蓄電池の特徴を、取扱8型番(長府工産ブランドで販売するニチコン製の2型番を含めると10型番)のスペックと施工事例から整理します。

省エネ相談室が施工事例として掲載している福岡県内の蓄電池116件のうち、58件がニチコン製でした。施工事例の掲載が最も多いメーカーです。実際に選ばれている理由と、選ぶときの注意点をお伝えします。

目次

ニチコンとはどんなメーカーか

コンデンサから始まった京都の電子部品メーカー

ニチコンは京都に本社を置く電子部品メーカーです。もともとはコンデンサ(電気を蓄えたり放出したりする部品)を主力としてきた会社で、その技術を家庭用蓄電池に展開しています。

「電気を蓄える」という点で本業と地続きの事業であることが、蓄電池分野での立ち位置につながっています。

V2H(電気自動車と住宅をつなぐ機器)でも早くから展開している

ニチコンは、電気自動車のバッテリーを住宅で使えるようにするV2H機器を早い段階から手がけてきたメーカーです。この点が、後述するトライブリッドという方式につながっています。

ニチコン最大の特徴は「トライブリッド」

ニチコンを語るうえで外せないのがトライブリッドです。ここが他メーカーとの最も大きな違いです。

ハイブリッドとトライブリッドの違い

蓄電池のパワーコンディショナ(パワコン)の構成には3つの方式があります。

方式1台のパワコンで制御するもの
単機能型蓄電池のみ(太陽光は別のパワコン)
ハイブリッド型太陽光+蓄電池
トライブリッド型太陽光+蓄電池+電気自動車(V2H)

トライブリッドは3つを1台のパワコンでまとめて制御する方式です。電気自動車を蓄電池のように使えるため、住宅全体で使える電気の容量が大きくなります。

取扱44型番のうちトライブリッドは6型番、すべてニチコン製

省エネ相談室が取り扱う蓄電池44型番のうち、トライブリッド型は6型番あり、そのすべてがニチコン製です。

型番容量停電時設置場所機器保証
ESS-T5M1/ESS-T6M17.4kWh全負荷屋内・屋外15年
ESS-T5L1/ESS-T6L19.9kWh全負荷屋内・屋外15年
ESS-T5X1/ESS-T6X114.9kWh全負荷屋内・屋外15年
ESS-T5Z1/ESS-T6Z119.9kWh全負荷屋内・屋外15年

いずれも容量保証が付いています。19.9kWhは取扱型番のなかでも大容量の部類です。

今すぐ電気自動車がなくても選ぶ意味がある

ここは実務で必ずご説明している点です。トライブリッドは電気自動車を今持っていなくても選べます。

先に太陽光と蓄電池を設置しておき、後から電気自動車を導入したときにV2H機器を追加する、という順序が取れます。あとから方式を変えるにはパワコンの交換が必要になるため、将来的に電気自動車を検討されている方は最初からトライブリッドにしておくと後の費用を抑えられます。

ニチコンの蓄電池のラインナップ

省エネ相談室が取り扱うニチコン製10型番(ニチコンブランド8型番+長府工産ブランド2型番)の内訳です。

方式型番数容量の範囲
トライブリッド型6型番7.4〜19.9kWh
ハイブリッド型2型番7.7〜9.7kWh
単機能型2型番7.7〜9.7kWh

ハイブリッド型(ESS-E1M1/ESS-E1L1)

太陽光と蓄電池を1台のパワコンでまとめる方式です。容量は7.7kWhと9.7kWhの2種類、いずれも停電時は全負荷(家全体が使える)に対応し、機器保証15年・容量保証付きです。設置は屋外になります。

単機能型(ESS-U5M1/ESS-U5L1)

既設の太陽光パワコンをそのまま残して蓄電池だけを追加できる方式です。すでに太陽光をお使いのご家庭が後から蓄電池を足す場合に向いています。

この2型番は停電時に全負荷と特定負荷を選べるのが特徴です。全負荷にすれば家全体、特定負荷にすれば指定した回路だけが使えます。

長府工産のOEM製品もある

スペック表を見ると、長府工産の型番(ESS-T5MGCK/ESS-T5XGCK)にもニチコン製の記載があります。これはニチコンが製造し長府工産が販売している製品で、有償の延長保証5年が付く点が本家との違いです。

同じ中身でも販売元によって保証条件が変わることがある、という一例です。

省エネ相談室の施工事例ではニチコン製が58件

施工事例として掲載している福岡県内の蓄電池116件のメーカー別内訳。ニチコンが58件で最多

蓄電池116件のうち58件がニチコン製

省エネ相談室が施工事例として掲載している福岡県内の蓄電池116件のうち、58件(50%)がニチコン製でした。メーカー別の掲載件数で最多です。

メーカー施工事例の件数
ニチコン58件
長府工産27件
長州産業25件
SHARP5件
エクソル1件

設置した型番の内訳

型番件数
ESS-T3L117件
ESS-U4M115件
ESS-U2M113件
ESS-U2L26件
ESS-T3M13件
ESS-T5L11件
ESS-E1L11件
ESS-T3S11件
ESS-H2L11件

ESS-T3L1が17件で最も多くなっています。型番の頭が「T」はトライブリッド、「U」は単機能、「E」はハイブリッドを示します。方式ごとに分けると、単機能型が34件(59%)で最多、トライブリッド型が22件(38%)という内訳です。

ニチコン製58件の方式別内訳。単機能型34件、トライブリッド型22件

トライブリッドは電気自動車まで見据えた構成が組める一方で、初期費用が上がります。いま電気自動車を予定していない方が単機能型を選ぶケースが多く、結果として単機能型が最多になっています。

設置時期によって販売されている型番が変わるため、現在の取扱型番(T5・T6シリーズ)とは異なる型番が施工事例には含まれています。

容量は平均10.5kWh

ニチコン製を設置した58件の容量は平均10.5kWh(最小4.9kWh〜最大12.0kWh)でした。蓄電池全体の平均10.0kWhをやや上回ります。

ニチコン製58件の容量別内訳。11.1kWhが28件、9.9kWhが18件で8割を占める
容量件数
11.1kWh28件
9.9kWh18件
12.0kWh7件
7.4kWh3件
9.7kWh1件
4.9kWh1件

11.1kWhと9.9kWhの2つで58件中46件(79%)を占めます。一般的な戸建て住宅では、この容量帯が選ばれています。

58件の内訳

58件のうち47件(81%)が太陽光との同時導入で、残る11件は蓄電池のみの導入です(うち7件は既設の太陽光発電に追加した事例)。同時導入した47件の太陽光の出力は平均5.97kWでした。

設置エリアは28市町にわたります。糸島市と行橋市が各8件、京都郡苅田町5件、福岡市4件、みやま市と築上郡築上町が各3件などです。各エリアの事例は対応エリアのページでご覧いただけます。

ニチコンの蓄電池を選ぶメリット

取扱44型番のなかでのニチコン。トライブリッド6型番はすべてニチコン製造

電気自動車まで見据えた構成が組める

トライブリッドを選べるのはニチコンの明確な強みです。太陽光・蓄電池・電気自動車を1台のパワコンで制御できるため、将来の拡張を織り込んだ設計ができます。

容量の選択肢が広い(7.4〜19.9kWh)

トライブリッドシリーズは7.4kWh・9.9kWh・14.9kWh・19.9kWhの4段階があります。19.9kWhという大容量まで用意されているのは取扱型番のなかでも上位です。

ただし容量は大きいほど良いというものではありません。使い切れる量に収めることが大切です。詳しくは蓄電池の容量と種類の選び方でご説明しています。

トライブリッド全型番が全負荷に対応している

トライブリッド6型番はすべて停電時に全負荷(家全体の電気が使える)に対応しています。停電対策を重視される方には分かりやすい選択肢です。

屋内にも屋外にも設置できる

トライブリッドシリーズは屋内・屋外の両方に対応しています。設置場所の選択肢が広いことは、実際の工事では大きな利点です。

一方でハイブリッド型・単機能型(ESS-E/ESS-U シリーズ)は屋外設置のみとなりますので、屋外にスペースが取れるかを確認する必要があります。

機器保証15年に容量保証が付く

ニチコン製の全型番が機器保証15年で、容量保証も付いています。取扱44型番のうち機器保証15年が36型番、10年が8型番ですので、ニチコンは長いほうのグループにあたります。

選ぶときに確認しておきたい注意点

メリットだけでなく、事前に押さえておきたい点もお伝えします。

重塩害地域への設置に対応していない

ここが最も重要な注意点です。省エネ相談室が取り扱うニチコン製10型番は、いずれも重塩害地域への設置に対応していません。

取扱44型番のうち重塩害対応は23型番ありますが、その中にニチコン製は含まれていません。福岡県では糸島市や福津市のように海に面したエリアがあり、沿岸部では選択肢から外れる場合があります。

海からの距離によって判断が変わりますので、沿岸部にお住まいの場合は現地で条件を確認したうえでご提案しています。重塩害対応が必要な場合は、京セラ製・長州産業製などから選ぶことになります。

トライブリッドは初期費用が上がる

3つを制御できる分、パワコンの価格はハイブリッド型より高くなります。電気自動車を導入する予定がまったくない場合は、ハイブリッド型のほうが費用を抑えられます。

「将来使うかもしれない」という程度であれば、費用差と可能性を比べて判断されることをおすすめします。

ハイブリッド型・単機能型は屋外設置のみ

前述のとおり、ESS-E/ESS-Uシリーズは屋外設置専用です。屋内に置きたい場合はトライブリッドシリーズ、または他メーカーの屋内対応機種から選ぶことになります。

型番によって停電時の対応が異なる

トライブリッドとハイブリッドは全負荷のみ、単機能型は全負荷と特定負荷を選べます。「ニチコンなら全部同じ」ではありませんので、型番単位で確認する必要があります。

評判・口コミを見るときのポイント

型番を確認せずに評価を読まない

ニチコンの蓄電池は方式も容量も幅があります。トライブリッドの評価と単機能型の評価は別のものです。口コミを読むときはどの型番についての話なのかを確認する必要があります。

「高い」という評価は方式が影響していることがある

「ニチコンは高い」という評価を見かけることがありますが、トライブリッドはパワコンの機能が多いぶん価格が上がります。同じ容量のハイブリッド型と比べているのか、トライブリッドと比べているのかで結論が変わります。

蓄電池の評判と施工会社の評判を分けて考える

口コミで目立つのは、実は施工や対応に関する内容です。製品への評価と施工会社への評価が混ざっていることがよくあります。

自宅と条件が近い事例を参考にする

最も参考になるのは、同じ地域・似た屋根条件・同程度の容量の事例です。省エネ相談室では福岡県内の施工事例を公開しています。施工事例一覧からエリアやサービス内容で絞り込んでご覧いただけます。

ニチコンの蓄電池が向いている方

  • 電気自動車を持っている、または将来検討している方(トライブリッドで拡張できる)
  • 停電時に家全体の電気を使いたい方(トライブリッド全型番が全負荷対応)
  • 大容量を確保したい方(最大19.9kWhまで対応)
  • 蓄電池を屋内に設置したい方(トライブリッドシリーズは屋内対応)
  • すでに太陽光があり蓄電池だけ追加したい方(単機能型で既設パワコンを活かせる)

逆に海に近い立地の方は、重塩害対応の機種から選ぶ必要があるため、他メーカーが候補になります。

ニチコンの蓄電池の保証年数

「蓄電池は何年使えるのか」は必ずいただくご質問です。ここは正直にお伝えします。

機器保証15年+容量保証

省エネ相談室が取り扱うニチコン製10型番は機器保証15年、容量保証つきです。 メーカーが15年間の保証を出しているという事実が、実用上の目安になります。

ここではニチコン製の保証内容に絞ってお伝えします。蓄電池が何年もつのか、寿命はどう決まるのかという一般的な話は、別の記事で詳しくご説明する予定です。

容量保証があると何が違うのか

蓄電池は使い続けると、満充電にしても蓄えられる量が少しずつ減ります。 容量保証は「一定の容量を下回ったら対応する」という約束です。

機器が動くかどうか(機器保証)と、容量が保たれているか(容量保証)は別の話です。 ニチコン製は両方が付いています。取扱44型番のうち機器保証15年は36型番、10年は8型番ですので、 ニチコンは長いほうのグループにあたります。

長府工産版なら有償で20年まで延ばせます

前述のとおり、長府工産が販売するニチコン製造の型番には有償の延長保証5年があります。 中身が同じでも保証の選択肢が変わるため、「保証期間を長くしたい」というご希望があれば、 そちらもあわせてご提案します。詳しくは長府工産の蓄電池でご説明しています。

運転モードの選び方(グリーンモードと経済モード)

設置後によくいただくのが「どのモードにすればいいのか」というご質問です。 ニチコンの蓄電池には複数の運転モードがあり、選び方で電気代の下がり方が変わります。

2つの考え方があります

考え方動き向いている状況
自家消費を優先する(グリーンモードなど)太陽光で発電した電気をできるだけ蓄電池に貯めて、自分の家で使う売電価格が下がった卒FIT後。買う電気を減らしたい場合
売電を優先する(経済モードなど)発電した電気は売り、安い深夜電力で蓄電池を充電するFIT期間中で売電価格が高い場合

つまり売電価格が高いうちは売電優先、卒FIT後は自家消費優先という切り替えが基本です。 卒FITの判断については卒FIT後の蓄電池で詳しくご説明しています。

充電する時間帯の設定も影響します

深夜電力が安い契約であれば、安い時間帯に充電を寄せるほど電気代は下がります。 ただし翌日の発電量が多い日に深夜充電で満タンにしてしまうと、 太陽光の電気を貯める余裕がなくなるという無駄が出ます。

このバランスは、ご家庭の電気の使い方・契約プラン・パネルの発電量で変わります。 「これが正解」という設定は一つに決まりません。 省エネ相談室では設置後に実際の使用状況を見ながら設定をご案内しています。

メンテナンスモードについて

蓄電池には、状態を整えるために自動で充放電を行う動作が入ることがあります。 この間は普段と違う挙動になりますが、異常ではありません。

ただし長時間終わらない場合や、点検表示が出た場合は連絡が必要です。 型番によって表示や所要時間が異なるため、判断に迷ったらご相談ください。 設置した機器の状態を確認したうえでお答えします。

よくある質問

ニチコンはどこの会社ですか?

京都に本社を置く電子部品メーカーです。コンデンサを主力としてきた技術を家庭用蓄電池に展開しており、V2H機器も早くから手がけています。

トライブリッドとハイブリッドの違いは何ですか?

ハイブリッドは太陽光と蓄電池を1台のパワコンで制御します。トライブリッドはそこに電気自動車(V2H)を加えた3つを制御できます。

電気自動車を持っていなくてもトライブリッドを選べますか?

選べます。先に太陽光と蓄電池を設置し、後から電気自動車を導入したときにV2H機器を追加する形が取れます。あとから方式を変えるにはパワコンの交換が必要になるため、将来の予定があるなら最初から選んでおくと費用を抑えられます。

ニチコンの蓄電池の保証期間は何年ですか?

省エネ相談室が取り扱うニチコン製10型番(長府工産ブランドの2型番を含む)はいずれも機器保証15年で、容量保証も付いています。長府工産が販売するニチコン製造の型番には、有償の延長保証5年が用意されています。

海の近くでも設置できますか?

ニチコン製の取扱10型番(長府工産ブランドの2型番を含む)はいずれも重塩害地域への設置に対応していません。海からの距離によって判断が変わりますので、沿岸部の場合は現地で条件を確認します。重塩害対応が必要な場合は他メーカーからご提案いたします。

すでに太陽光があります。ニチコンの蓄電池だけ追加できますか?

できます。単機能型(ESS-U5M1/ESS-U5L1)なら既設の太陽光パワコンをそのまま残せます。ただしパワコンの設置年によってはハイブリッド型へまとめたほうが合理的な場合もありますので、現在の設備を確認したうえでご提案します。卒FIT後の蓄電池もあわせてご覧ください。

他メーカーとの比較は蓄電池のメーカー比較|8メーカー44型番を条件別に整理でご覧いただけます。海からの距離・電気自動車の予定・既設の太陽光の有無といった条件から、候補を絞り込む形で整理しています。

蓄電池の寿命と保証の見方は蓄電池の寿命は何年?機器保証と容量保証の違いで詳しくご説明しています。取扱44型番のうち容量保証があるのは25型番だけです。

太陽光とセットで導入する場合の全体像

機種選びの前に、そもそもセットで入れるべきかどうかを確認しておくと迷いが減ります。

判断基準・費用の目安・同時設置と後付けの違いは太陽光発電と蓄電池をセットで導入する完全ガイド|福岡の施工事例133件のうち併用90件と費用相場にまとめています。同時設置ならハイブリッド型でパワコン1台に収まるため、選ぶ型番も変わってきます。

ご相談はお気軽に

ニチコンの蓄電池がご自宅に合うかどうかは、設置場所の条件と必要な容量、そして電気自動車の予定によって変わります。

省エネ相談室では現地調査のうえ、どの型番が設置できるか、必要な容量はどのくらいかを試算してご提示します。他メーカーとの比較もあわせてご説明できます。無理な勧誘はいたしません。

無料相談・お見積りはこちら

まとめ|トライブリッドを選べるのがニチコンの強み

  • 取扱44型番のうちトライブリッド6型番はすべてニチコン製。太陽光・蓄電池・電気自動車を1台で制御できる
  • 容量は7.4〜19.9kWhと幅広い。トライブリッド全型番が停電時の全負荷に対応
  • 機器保証15年+容量保証。取扱型番のなかで長いグループ
  • トライブリッドシリーズは屋内・屋外の両方に設置できる。ハイブリッド型・単機能型は屋外のみ
  • 重塩害地域には対応していない。海に近い立地では他メーカーが候補になる
  • 省エネ相談室では蓄電池116件のうち58件がニチコン製。取扱メーカーで最多、平均容量10.5kWh

電気自動車を見据えるならトライブリッド、沿岸部なら他メーカー、という形で条件によって答えが変わります。現地の条件を確認したうえでご提案いたします。

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