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太陽光発電の発電量はどれくらい?容量別の目安と福岡の月別データで解説
太陽光発電の発電量はどれくらい?容量別の目安と福岡の月別データで解説

「うちの屋根だと、どれくらい発電するんですか」

これは相談の場でいちばん多いご質問です。

結論から申し上げると、6.20kWの太陽光で年間およそ7,441kWh、1日あたり約20.4kWhです。6.20kWというのは、省エネ相談室が福岡県内で設置した107件の平均容量です。

この記事では、容量別の発電量と福岡の月別の発電量を、経済産業省と気象庁のデータで計算します。

そして、多くの記事が書いていない事実をひとつお伝えします。福岡は「日照時間」では東京に負けていますが、「日射量」では上回っています。発電量に効くのは後者です。

結論|容量別の発電量

容量別の年間発電量。3kWで3,600kWh、6.20kWで7,441kWh、9kWで10,801kWh

年間・1日・1か月の目安

容量年間1日あたり1か月平均
3kW3,600kWh9.9kWh300kWh
4kW4,800kWh13.2kWh400kWh
5kW6,001kWh16.4kWh500kWh
6kW7,201kWh19.7kWh600kWh
6.20kW(福岡107件の平均)7,441kWh20.4kWh620kWh
7kW8,401kWh23.0kWh700kWh
8kW9,601kWh26.3kWh800kWh
9kW10,801kWh29.6kWh900kWh

ざっくり「1kWあたり年間1,200kWh」と覚えておくと計算が早いです。

計算式はこれだけです

項目内容
計算式容量(kW) × 8,760時間 × 設備利用率13.7%
設備利用率13.7%(経済産業省の2026年度想定値)

出典:経済産業省 調達価格等算定委員会(2025年2月3日)

8,760時間は1年の総時間数(24時間×365日)です。設備利用率は「1年ずっとフル出力で発電したと仮定した場合の何%が実際に発電できるか」を表します。

この数値は控えめです

設備利用率は記事で13.7%を使用。2025年1〜8月の実績14.1%、過去4年の平均14.2%

13.7%は想定値で、実績はこれを上回っています。

区分設備利用率
2026年度の想定値(この記事で使用)13.7%
2025年1〜8月の実績14.1%
過去4年の平均14.2%

出典:資源エネルギー庁「太陽光発電について」(2026年1月・調達価格等算定委員会)

販売する側としては大きい数字を出したくなるところですが、この記事では想定値の13.7%で計算します。実際はこれより多くなる可能性が高い、という読み方をしてください。

福岡の発電量|月別の目安

福岡で6.20kWの場合の月別発電量。5月が871kWhで最多、12月が331kWhで最少

6.20kWの月別発電量

気象庁が公表している福岡の月別日射量(30年間の平年値)で配分しました。

月日射量
(MJ/㎡・日)
月間の発電量1日あたり
1月7.4350kWh11.3kWh
2月10.3440kWh15.7kWh
3月13.5639kWh20.6kWh
4月16.9774kWh25.8kWh
5月18.4871kWh28.1kWh
6月16.1737kWh24.6kWh
7月16.8795kWh25.6kWh
8月17.5828kWh26.7kWh
9月14.5664kWh22.1kWh
10月12.6596kWh19.2kWh
11月9.1417kWh13.9kWh
12月7.0331kWh10.7kWh

出典:気象庁 福岡の平年値(全天日射量・資料年数30年)

いちばん多い月と少ない月で2.6倍の差があります

5月が最も多く(18.4)、12月が最も少なくなります(7.0)。その差は2.6倍です。

意外に思われるかもしれませんが、真夏の8月ではなく5月がピークです。太陽光パネルは高温になると発電効率が落ちるためで、気温が上がりきる前の5月がいちばん条件が良くなります。

そして6月は梅雨で5月より12%落ちます。7月・8月に持ち直しますが、5月には届きません。

冬に「壊れたのでは」と思わないでください

12月の発電量は5月の約4割です。これは故障ではなく、日射量そのものが少ないためです。

設置した年の冬に初めてモニターを見て不安になる方が多いのですが、この表と照らして大きく外れていなければ正常です。明らかに下回る場合はご連絡ください。点検の対象になります。

【重要】福岡は日照時間で見ると判断を誤ります

日射量は福岡13.3MJ、東京12.7MJで福岡が多い。日照時間は福岡1889.4時間、東京1926.7時間で東京が長い

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい点です。

福岡東京差
年間日照時間1,889.4時間1,926.7時間福岡が1.9%少ない
年平均の全天日射量13.3MJ/㎡12.7MJ/㎡福岡が4.7%多い

出典:気象庁 平年値(福岡/東京)

逆転しています。

日照時間と日射量は別のものです

指標意味
日照時間太陽が「照っていた」時間の長さ。強さは問わない
全天日射量実際に地面に届いたエネルギーの量。これが発電量に直結する

発電量を左右するのは日射量のほうです。「福岡は日照時間が短いから太陽光に向かない」という説明を受けたことがある方は、指標を取り違えている可能性があります。

もっとも、この差は5%程度です。「福岡だから特に有利」と申し上げるつもりもありません。言えるのは、地域を理由に見送る必要はない、ということです。

発電量が想定より下がる要因

屋根の向きと角度

真南・傾斜30度前後が最も条件が良く、東西向きになるほど下がります。北向きは設置しません。

ただし東西に振っていても、生活パターンによってはむしろ好都合な場合があります。朝と夕方に発電が伸びるため、日中不在のご家庭では自家消費と時間帯が合うことがあります。

影

電柱・隣家・アンテナ・樹木の影は、想定より大きく影響します。パネルは直列でつながっているため、一部に影がかかると、その系統全体の出力が落ちます。

現地調査では、季節による太陽の高さの違いまで含めて確認します。

気温

前述のとおり、パネルは高温で効率が落ちます。真夏がいちばん発電するわけではありません。

汚れと経年劣化

黄砂・鳥のフン・落ち葉などの汚れで下がります。経年による出力低下もあります。パネルの寿命と保証については太陽光パネルの寿命は何年?で整理しています。

発電した電気はどうなるか

6.20kWの年間7,441kWhの内訳。売電4,822kWh、自家消費2,619kWh

発電量が分かったら、次は「そのうちどれだけ自宅で使い、どれだけ売るか」です。

区分6.20kWの場合1kWhの価値
自家消費(35.2%)約2,619kWh27.45円
売電(64.8%)約4,822kWh24円→8.3円

※27.45円/kWhは、2026年度の調達価格の算定に使う想定値(大手電力の家庭用電気料金単価の10年平均+消費税)で、各家庭の実際の単価ではありません。

自家消費35.2%・売電64.8%は、2025年1〜8月の全国平均の実績です(ダブル発電〈エネファームなどとの併設〉を除く。出典:資源エネルギー庁「太陽光発電について」(2026年1月・調達価格等算定委員会))。売電単価は2026年度から二段階になりました(1〜4年目24円、5〜10年目8.3円)。詳しくは太陽光発電の売電価格は24円と8.3円の二段階をご覧ください。

設置費用を含めた回収年数は太陽光発電は何年で元が取れる?で計算しています。

よくあるご質問

1kWで年間どれくらい発電しますか?

約1,200kWhです。(1 × 8,760 × 13.7% = 1,200kWh)容量にこの数字を掛ければ、おおよその年間発電量が出せます。

5kWだと1日どれくらいですか?

年間平均で16.4kWh、5月なら約23kWh、12月なら約9kWhです。年間平均だけで考えると、冬に「少ない」と感じます。

シミュレーションはしてもらえますか?

はい。この記事の数値は容量から機械的に計算したものです。実際は屋根の向き・角度・影・地域で変わるため、現地を確認したうえで出します。

曇りや雨の日は発電しませんか?

発電します。晴天時の1〜2割程度に落ちますが、ゼロにはなりません。月別の数値は雨天・曇天の日も含んだ平年値です。

パネルを増やせば増やすほど得ですか?

そうとは限りません。発電量は増えますが、自家消費しきれない分は5年目以降8.3円でしか売れません。屋根に載る最大容量ではなく、電気の使い方に合った容量が適正です。

施工事例の平均が6.20kWというのは小さくありませんか?

福岡の一般的な戸建ての屋根では、これが標準的な範囲です。107件の中央値は5.88kW、最小1.42kW、最大12.88kWでした。

ご自宅の屋根で計算します

この記事の数値は容量から機械的に計算した目安です。実際の発電量は屋根の条件で変わります。

省エネ相談室では次のところまでお出しします。

  • 屋根に載る容量(方位・角度・影を現地で確認)
  • その条件での年間発電量と月別の内訳
  • ご家庭の使用量から見積もった自家消費の割合
  • 電気代の削減額と売電収入

「この屋根では十分な発電が見込めない」という結論になれば、そうお伝えします。検針票をお持ちいただくと、その日のうちに大まかな試算までお出しできます。

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まとめ

  • 計算式は「容量 × 8,760時間 × 13.7%」。1kWあたり年間約1,200kWh
  • 6.20kW(福岡107件の平均)で年間7,441kWh・1日20.4kWh
  • ピークは8月ではなく5月(高温で効率が落ちるため)
  • 5月と12月で2.6倍の差。冬に少ないのは故障ではない
  • 6月は梅雨で5月より12%落ちる
  • 福岡は日照時間では東京に負けるが、日射量では4.7%上回る。発電量に効くのは日射量
  • 使った13.7%は想定値。実績データの平均は14.1%(2025年1〜8月)、過去4年の平均は14.2%で、この記事は控えめな前提
  • 屋根の向き・角度・影で変わるため、最終的には現地確認が必要

発電量の計算そのものは単純です。難しいのは、ご自宅の屋根がその前提にどれだけ当てはまるかを見極めるところです。

数字は隠さずお見せします。屋根の写真か図面があれば、より正確にお出しできます。

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