今ある太陽光発電に蓄電池を後付けする価格は、今のパワーコンディショナを残すか、替えるかで中身が変わります。
- 残す(単機能型):蓄電池と、蓄電池用のパワーコンディショナを足す。今のパワーコンディショナはそのまま使い、寿命が来たら別に交換する
- 替える(ハイブリッド型):太陽光と蓄電池を1台で受け持つパワーコンディショナに替える。今のパワーコンディショナの撤去が工事に入る
蓄電池そのものの価格は、国の資料(2024年11月)で、補助金を使わない場合に1kWhあたり17〜22万円(設備費15〜20万円+工事費2万円)が標準的な水準です。容量別の目安は、こちらの記事で解説しています。
→ 蓄電池の価格・費用相場|1kWh単価と容量別の目安【2026年】
この記事では、後付けの価格を、今のパワーコンディショナを残す場合と替える場合で、20年分に何がかかるかで比べます。

目次
残す場合と替える場合:20年分にかかるものの比較
蓄電池10kWhを後付けする例で、20年のあいだにかかるものを並べます。
| 項目 | 残す(単機能型) | 替える(ハイブリッド型) |
|---|---|---|
| 蓄電池(蓄電池用のパワーコンディショナ・工事を含む) | 約170〜220万円 | 約170〜220万円 |
| 今のパワーコンディショナの撤去 | なし | かかる(金額は見積もりで確認) |
| 太陽光のパワーコンディショナの交換(今のものの寿命が来たとき) | 38.4万円程度(一般的な相場・5kW想定) | 不要(新しいパワーコンディショナが受け持つ) |
| ハイブリッド型のパワーコンディショナの機器代の上乗せ(単機能型との差) | − | かかる可能性(公的な相場は見つからなかった。見積もりで確認) |
| 20年分の目安 | 約208〜258万円 | 約170〜220万円+撤去費+機器代の上乗せ |
※蓄電池の金額は、国の資料の補助金を使わない場合の水準(1kWhあたり17〜22万円)で計算した目安です。単機能型とハイブリッド型の機器の価格の違いは、この水準には表れていません。資料には、税込か税抜かの明記がありません
※パワーコンディショナの交換の相場は、国の委員会の資料(2026年1月)で、太陽光発電協会へのヒアリングの結果として「20年間で一度は交換され、38.4万円程度が一般的な相場」(5kWの設備を想定)とされている値です(前年度の調査では42.3万円程度)
※替えた場合の新しいパワーコンディショナも、いずれ交換の時期が来ます。その費用の公的な相場は見つかりませんでした
つまり、「替える」は、太陽光のパワーコンディショナの交換を前倒しして、後付けと一度に済ませる方法です。ただし、替える場合は撤去費と、ハイブリッド型の機器代の上乗せがかかる可能性があり、その金額しだいでは38.4万円の差が縮む、またはなくなることもあります。今のパワーコンディショナが20年のあいだに交換の時期を迎えるかどうかとあわせて、どちらの総額が小さくなるかが変わります。両方の方法で見積もりを取り、この表の形に並べて比べましょう。
つなぎ方の違い(変換の効率・置き場所・停電時の動き)は、こちらの記事でくわしく解説しています。

後付けの施工事例の容量
省エネ相談室がサイトで公開している施工事例のうち、蓄電池だけを設置した事例は26件で、容量は6.5〜16.4kWh、平均10.66kWh(中央値11.1kWh)でした。
| 容量 | 件数 |
|---|---|
| 7kWh未満 | 3件 |
| 7〜10kWh未満 | 7件 |
| 10〜12kWh未満 | 7件 |
| 12kWh以上 | 9件 |
容量の決め方は、こちらで解説しています。
固定価格の買取(FIT)の認定がある太陽光は、国への手続きが要る
資源エネルギー庁の「変更内容ごとの変更手続の整理表」(2026年4月1日更新)では、FITの認定を受けた事業計画のうち「自家発電設備等の設置の有無」を変える場合の手続きが示されています。自家発電設備等には蓄電池が含まれるとされ、手続きは次のとおりです。
| 時期 | 手続き |
|---|---|
| 固定価格の買取期間中 | 変更認定申請(整理表では、調達価格が変わる可能性がある項目に区分) |
| 買取期間が終わったあと(卒FIT) | 卒FIT事前変更届出 |
この手続きを誰が行うか、費用が見積もりに含まれているかを、契約の前に確かめましょう。
後付けの見積もりで確かめたいこと
- 方式:今のパワーコンディショナを残すか(単機能型)、替えるか(ハイブリッド型)
- 撤去:替える場合、今のパワーコンディショナの撤去が見積もりに含まれているか
- FITの手続き:上の国への手続きを誰が行い、費用が見積もりに含まれているか
- 今の機器との組み合わせ:今の太陽光のメーカー・型番とつなげるか
- 蓄電池の容量:蓄電容量か実効容量か。1kWhあたりの価格に直して比べる
補助金を使う場合は、契約や工事の前に申請が必要な制度があります。国の補助金の状況と、福岡県内の市町村の制度は、こちらで確かめてください。
→ 蓄電池の国の補助金|2026年のDR補助金の金額と今使える制度
→ 【2026年度】福岡県の太陽光・蓄電池補助金を市町村別に解説
固定価格の買取が終わったあとに、蓄電池を後付けするかの判断は、こちらの記事でまとめています。
省エネ相談室では、今ある太陽光の状態やご家庭の電気の使い方をうかがい、後付けの方法と容量の選び方を含めた無料のシミュレーションをしています。お気軽にご相談ください。
よくある質問
太陽光に蓄電池を後付けすると、いくらかかりますか?
蓄電池10kWhの例で、国の資料の水準(1kWhあたり17〜22万円)では約170〜220万円です。今のパワーコンディショナを替える場合は撤去が入り、残す場合は将来、太陽光のパワーコンディショナの交換(38.4万円程度が一般的な相場・5kW想定)が別に必要になります。
後付けと、太陽光と同時に入れるのとでは、どちらが安いですか?
同じ条件で比べた公的なデータはありません。同時に入れる場合の価格は、こちらで解説しています。
FITの期間中でも、蓄電池を後付けできますか?
できますが、国への変更認定申請が必要です(資源エネルギー庁の整理表)。買取期間が終わったあとは、卒FIT事前変更届出になります。
まとめ
- 後付けの価格の中身:今のパワーコンディショナを残す(単機能型)か、替える(ハイブリッド型)かで変わる
- 20年分で比べる:残す場合は将来の太陽光のパワコン交換(38.4万円程度)、替える場合は今のパワコンの撤去がかかる
- FITの手続き:買取期間中は変更認定申請、終わったあとは卒FIT事前変更届出。誰が行い、費用が含まれているかを確かめる
- 見積もり:方式・撤去・手続き・容量をそろえて比べる