新着情報

News
太陽光の見積もりの見方|単価・内訳・シミュレーションの確認点
太陽光の見積もりの見方|単価・内訳・シミュレーションの確認点

太陽光発電の見積書を受け取っても、「この金額は高いのか、安いのか」「どこを見ればよいのか」が分からない方は少なくありません。会社によって書き方も、載せるパネルの枚数も違うので、総額を並べただけでは比べられないからです。

太陽光の見積書は、次の4つに分けて見ると比べやすくなります。

  • 1kWあたりの単価:総額を合計出力(kW)で割って、公的な平均と比べる
  • 内訳:パネル・パワーコンディショナ(パワコン)・架台・工事が、型番や項目ごとに書かれているか
  • 保証:機器・出力・工事の保証が、それぞれ何年で、誰が保証するのか
  • シミュレーションの前提:発電量・電気の単価・売電の単価を、どんな数字で計算しているか

太陽光発電協会(JPEA)も、設置を考えている方向けの資料で「必ず複数の販売業者から見積りをもらう」こと、「見積りは一式でなく、内訳(機器・工事内容毎)が記載されているか」を確かめることを呼びかけています。

この記事では、太陽光の見積書のどこを見て、どう比べるかを、公的な資料をもとに順にまとめます。

太陽光の見積書は4つに分けて見る。1 1kWあたりの単価(総額を合計出力で割り、公的な平均と比べる。既築の平均は30.1万円/kW)、2 内訳(パネル・パワコン・架台・工事が型番や項目ごとに書かれているか)、3 保証(機器・出力・工事の保証の年数と、誰が保証するか)、4 シミュレーションの前提(発電量・電気の単価・売電の単価をどんな数字で計算しているか)

見積もりを頼む前に用意しておくもの

どの会社にも同じ材料を渡すと、出てくる見積もりの条件がそろい、比べやすくなります。

用意するものなぜ必要か
電気の使用量がわかるもの(検針票・電力会社のサイトの使用量)発電した電気をどれだけ家で使えるか(自家消費)の計算に使う
家の築年数・屋根材(瓦・スレート・金属など)・分かれば図面載せられる枚数や、架台・工事の内容が変わる
蓄電池も考えているかパワコンの種類(太陽光だけ用か、蓄電池もつなげる型か)が変わる
使いたい補助金(お住まいの市町村)申請の時期と、契約・工事の順番が変わる

蓄電池もあわせて見積もりを取る場合に用意するもの(分電盤の写真、停電のときに使いたい場所など)は、蓄電池の見積もりの記事でまとめています。

→ 蓄電池の見積もりは何社?見積書で確かめる項目と比べ方

見積書の見方1:1kWあたりの単価に直す

計算は「総額÷合計出力(kW)」

太陽光は家ごとに載せる量(容量)が違うため、総額のままでは比べられません。見積もりの総額を、パネルの合計出力(kW)で割ると、1kWあたりの単価になり、会社どうしで比べられます。

たとえば、総額が180万円・合計出力が6.0kWなら、1kWあたり30万円です。

公的な平均は1kWあたり30.1万円(既築)

比べる目安になるのが、経済産業省の調達価格等算定委員会の資料(2026年1月)にある数字です。2025年に設置された住宅用太陽光発電(10kW未満)のシステム費用の平均は、次のとおりでした。

区分1kWあたりの平均
今ある家に載せる場合(既築)30.1万円
新築の場合28.9万円

※資料には、金額が税込か税抜かの明記がありません。

見積もりの単価がこの数字から大きく離れている場合は、高い・安いを決める前に、その理由を聞くのが大切です。屋根の形や屋根材、足場や屋根の補修が含まれているかで、単価は変わります。容量ごとの費用の目安は、こちらで解説しています。

→ 太陽光発電の設置費用は1kW30.1万円|容量別の目安と維持費

割る前に、総額の中身をそろえる

1kWあたりに直すときは、次の点をそろえてから計算します。そろっていないと、同じ割り算でも正しく比べられません。

そろえること理由
税込か税抜か消費税の分だけ差が出る
補助金を引く前か、引いたあとか補助金を引いた金額で書く会社と、引く前で書く会社がある
蓄電池の分が入っているか蓄電池の分を含めたまま割ると、太陽光の単価が高く見える
足場代・屋根の補修・申請の費用が入っているか「別途」になっていると、あとで足される

見積書の見方2:パネル・パワコン・架台・工事の内訳

太陽光発電協会は、見積りが「一式」ではなく、内訳(機器・工事内容ごと)が書かれているかを確かめるよう呼びかけています。内訳がそろっていれば、どこで金額が違うのかが分かります。

参考までに、前の章の資料では、新築の平均(1kWあたり28.9万円)の内訳は、太陽光パネルが約47%、工事費が約29%、パワコンが約18%、架台が約11%でした(既築の内訳は資料に出ていません。値引き〈1kWあたり▲1.7万円〉があるため、足しても100%になりません)。

見積書の内訳。一式ではなく、パネル(型番、1枚の出力×枚数=合計出力)、パワコン(型番・台数・出力・種類)、架台・金具、工事(設置工事・電気工事・足場・屋根の補修)、申請、保証が項目ごとに書かれているか。参考として新築の平均の内訳は、パネル約47%、工事費約29%、パワコン約18%、架台約11%(1kWあたり28.9万円・値引きがあるため足しても100%にならない)

パネル:型番と枚数から、合計出力を自分で確かめる

確かめること見るところ
メーカー・型番型番が分かれば、性能や保証の年数をメーカーのサイトで調べられる
1枚あたりの出力(W)と枚数1枚の出力×枚数=合計出力(kW)になっているか
合計出力(kW)1kWあたりの単価を出すときの分母になる

1枚の出力と枚数を掛けると、合計出力を自分で確かめられます。たとえば、省エネ相談室が施工事例として掲載している次の2件では、こうなります。

施工事例パネル1枚の出力×枚数合計出力
福津市の事例ネクストエナジー NER108M460B-NE460W×20枚9.20kW
宗像市の事例ハンファジャパン(Qセルズ)Re.RISE-NBC 440440W×13枚5.72kW

同じ容量でも、1枚の出力が大きいパネルなら枚数は少なくなります。枚数だけで比べず、合計出力(kW)で比べるのがポイントです。

なお、施工事例として掲載している133件のうち、太陽光を含む107件の容量は、中央値で5.88kWでした。お住まいの市町に近い事例は、施工事例一覧で容量やメーカーと一緒に確かめられます。

→ 施工事例一覧

パワコン:出力と種類を確かめる

パワコンは、パネルで作った電気を家で使える電気に変える機器です。見積書では次の点を見ます。

確かめること理由
メーカー・型番・台数型番が書かれていないと、何が付くのか確かめられない
パワコンの出力(kW)パネルの合計出力とは別の数字。両方が書かれているか、違う場合はなぜかを聞く
太陽光だけ用か、蓄電池もつなげる型(ハイブリッド型)かあとで蓄電池を付けるときに、パワコンを替えるかどうかが変わる

パワコンは、パネルより先に交換の時期が来る機器です。経済産業省の資料では、交換費用を38.4万円程度(5kW想定)として試算しています。パワコンの種類と交換の費用は、こちらで解説しています。

→ パワコンとは?太陽光・蓄電池での役割と種類、交換の費用相場

架台と工事:何が含まれているか

項目確かめること
架台・金具屋根材に合った取り付け方か(瓦・スレート・金属で変わる)
設置工事パネルを載せる工事。屋根に穴を開けるか、そのときの防水の方法
電気工事パワコン・分電盤までの配線、電力量計(メーター)まわり
足場含まれているか、「別途」になっていないか
屋根の補修古い屋根で補修が必要な場合、見積もりに入っているか
申請の手続き国の認定・電力会社への申し込みを誰が行い、費用が含まれているか

屋根材ごとの取り付け方と、設置のときに必要な手続きは、それぞれこちらで解説しています。

書類そのものも確かめる

太陽光発電協会は、見積り・契約のときの確認として、次の点もあげています。

  • 見積書に日付・会社名・担当者名が書かれ、捺印があるか
  • 現地調査をしたうえで作った設計図面(配置図・配線図)が付いているか
  • 経済性シミュレーションの資料が出されているか

配置図があると、どの面に何枚載せるのかが分かり、見積もりの枚数と照らし合わせられます。

見積書の見方3:保証の中身

保証は、見積もりの金額と同じくらい大切です。太陽光発電協会も、販売業者が有償・無償の保証制度を説明してくれるか、施工業者に雨漏りなど設置後のトラブルに対応する保証制度があるかを、それぞれ確かめるよう呼びかけています。

保証の種類確かめること
機器の保証(パネル・パワコン)年数。パネルとパワコンで年数が違うことが多い
出力の保証(パネル)パネルの出力が何年・どの程度まで保証されるか
工事の保証雨漏りなど、工事が原因の不具合を誰が保証するか
自然災害の補償台風などの被害が対象になるか。有償か無償か

誰が保証するか(メーカーか、施工した会社か)も確かめておきましょう。施工した会社の保証は、その会社がなくなると受けられなくなるおそれがあります。保証の年数の考え方は、こちらで解説しています。

→ 太陽光パネルの寿命は何年?耐用年数との違いを解説

見積書の見方4:シミュレーションの前提

見積もりと一緒に、「年間の発電量」「電気代がいくら下がるか」「何年で元が取れるか」といったシミュレーションが付いてくることがよくあります。シミュレーションは、どんな前提で計算したかで結果が大きく変わります。数字の結果だけでなく、前提を確かめましょう。

前提確かめること比べる目安(公的な参照値)
発電量どの地域の日射のデータで、屋根の向き・角度・影を入れて計算しているか国の想定では、設備利用率(容量に対して実際に発電する割合)13.7%
家で使う割合(自家消費率)何%で計算しているか。家族の暮らし方(昼間に家にいるか)に合っているか全国平均の実績で約35%(余剰売電比率64.8%・2025年1〜8月)
買う電気の単価1kWhあたり何円で計算しているか自家消費の価値として27.45円/kWh※
売る電気の単価と期間年数ごとの売電単価が分けて書かれているか2026年度に設置する場合、1〜4年目24円・5〜10年目8.3円(1kWhあたり)
11年目以降固定価格の買取が終わったあとの売電単価を何円にしているか九州電力の卒FITの買取は7.00円/kWh
かかる費用点検やパワコン交換の費用を入れているか定期点検 約3.8万円/回(3〜5年ごと)、パワコン交換 38.4万円程度

※27.45円/kWhは、2026年度の調達価格の算定に使う想定値(大手電力の家庭用電気料金単価の10年平均+消費税)で、各家庭の実際の単価ではありません。

たとえば、売電の単価を10年間ずっと24円で計算していたり、パワコンの交換費用が入っていなかったりすると、元が取れる年数は短く見えます。会社ごとにシミュレーションの前提が違うときは、同じ前提で計算し直してもらうと比べられます。

公的な参照値で計算した回収年数の目安と、福岡の月ごとの発電量は、それぞれこちらで解説しています。

シミュレーションで確かめる前提は、発電量・自家消費率・買う電気の単価・売る電気の単価と期間・点検やパワコン交換の費用。たとえば2026年度に設置する場合、売る電気の単価は1〜4年目24円、5〜10年目8.3円、11年目以降は九州電力の卒FITの買取で7.00円(1kWhあたり)

複数の見積もりを比べる手順

条件をそろえてから、金額を比べる

1. 合計出力(kW)・パネルとパワコンの型番がそろっているかを見る。違えば、そろえた条件でも出してもらう

2. 総額の中身(税込か税抜か、補助金の前か後か、蓄電池の分、足場・補修・申請)をそろえる

3. 1kWあたりの単価に直して比べる

4. 保証の年数と、誰が保証するかを並べる

5. シミュレーションの前提をそろえて、結果を比べる

極端に安い見積もりは、理由を聞く

太陽光発電協会は、「他社より極端に安い見積りには、落とし穴があるかもしれません」としています。安い理由が、パネルの種類なのか、保証の短さなのか、足場や工事が「別途」になっているからなのかを、書面で確かめましょう。

口約束ではなく、書面で残す

説明された内容や約束ごとは、必ず書面で受け取って保管しておきましょう(太陽光発電協会も同じ呼びかけをしています)。

蓄電池も一緒に見積もるとき

太陽光と蓄電池を同時に入れる場合は、太陽光の分と蓄電池の分を分けて書いてもらうと、それぞれ単価に直して比べられます。蓄電池の見積書で確かめる項目と比べ方、セットで入れる場合の相場は、こちらで解説しています。

訪問販売で見積もりを出されたとき

突然の訪問で見積もりを出され、「今日決めれば安くなる」などと契約を急かされたときは、その場で決めず、ほかの会社の見積もりと比べてから判断しましょう。訪問販売での契約には、クーリング・オフの制度があります。迷ったときは、消費者ホットライン(局番なしの188)に相談できます。

業者を選ぶときに自分で確かめられることと、悪質な業者の手口は、こちらで解説しています。

省エネ相談室の見積もり

省エネ相談室では、ご自宅の屋根の形や日当たり、電気の使い方を現地で確かめたうえで、プランとお見積りをご案内しています。調査・お見積りは無料です。

ほかの会社の見積書をお持ちいただいても構いません。迷われたら見積書をお持ちください。一緒に確認いたします。無理な営業はいたしません。

無料相談・お見積りはこちら

よくある質問

太陽光の見積もりは何社から取ればいいですか?

何社という決まりはありません。比べやすさから、3社程度を目安にするとよいでしょう。太陽光発電協会は「必ず複数の販売業者から見積りをもらう」よう呼びかけています。社数よりも、どの会社にも同じ条件(容量・型番・保証)で依頼できているかが大切です。

見積もりが高いか安いかは、どう判断しますか?

総額をパネルの合計出力(kW)で割って、1kWあたりの単価に直します。経済産業省の資料では、今ある家に載せた場合の平均は1kWあたり30.1万円(2025年設置分)でした。大きく離れているときは、足場・屋根の補修・保証の中身など、理由を聞いてみてください。

見積書に「一式」としか書かれていません。

パネル・パワコンのメーカーと型番、枚数、合計出力、工事の内訳を書いてもらいましょう。太陽光発電協会も、見積りが一式でなく、機器・工事内容ごとの内訳が書かれているかを確かめるよう呼びかけています。

シミュレーションの数字は信用してよいですか?

結果よりも前提を確かめてください。発電量の計算に使ったデータ、自家消費率、買う電気と売る電気の単価、11年目以降の売電単価、点検やパワコン交換の費用が入っているかで、結果は大きく変わります。会社ごとに前提が違うときは、同じ前提で出し直してもらうと比べられます。

見積もりを取ったら、契約しないといけませんか?

見積もりは契約ではありません。比べたうえで、納得できる会社を選びましょう。

まとめ

  • 太陽光の見積書は、1kWあたりの単価・内訳・保証・シミュレーションの前提の4つで見る
  • 単価:総額÷合計出力(kW)。公的な平均は既築で30.1万円/kW。税込か税抜か、補助金の前か後か、蓄電池の分をそろえてから割る
  • 内訳:パネルは「1枚の出力×枚数=合計出力」を確かめる。パワコンは出力と種類、架台・工事は足場・補修・申請が含まれているか
  • 保証:機器・出力・工事・自然災害の補償の年数と、誰が保証するか
  • シミュレーション:発電量・自家消費率・電気の単価・売電の単価と期間・費用の前提をそろえて比べる
  • 複数の会社から取り、極端に安い見積もりは理由を聞く。説明は書面で残す

お電話でのお問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

メールでのお問い合わせ