太陽光パネルの重さは、たとえばハンファジャパン(Qセルズ)の440Wのパネルで1枚20.6kgです(メーカー公表値)。屋根に載せるシステム全体(パネル・架台など)では、太陽光発電協会の資料で次のように示されています。
| 目安 | 重さ |
|---|---|
| 3kWのシステムの屋根部分 | 約300〜500kg |
| 1㎡あたり | 10〜15kg(積雪に換算すると5〜7cm程度) |
※1㎡あたり10〜15kgは業界団体が示す一般的な目安で、製品や架台によって違います
この重さに、風・積雪・地震の力が加わっても建物が耐えられるかを、載せる前に確かめる必要があります。この記事では、パネルの重さの例、建物への負担の確かめ方、地震への備えをまとめます。

目次
パネル1枚の重さ(メーカーの公表値)
省エネ相談室の施工事例で件数がいちばん多いメーカー、ハンファジャパン(Qセルズ)が公表している値です。
| 型番 | 出力 | 大きさ(長さ×幅) | 質量 | 1㎡あたり(計算) |
|---|---|---|---|---|
| Re.RISE-NBC 440 | 440W | 1,606×1,134mm | 20.6kg | 約11.3kg |
| Q.TRON M-G2.4+ 430(販売終了品) | 430W | 1,722×1,134mm | 21.2kg | 約10.9kg |
| Q.TRON S-G2.4+(小型) | 285W | 1,722×766mm | 14.9kg | 約11.3kg |
※1㎡あたりは、質量をパネルの面積で割った計算値(パネルだけ。架台や金具は含まない)
枚数で見ると
1枚20.6kgのパネル(440W)で計算すると、パネルだけで次のようになります。
| 枚数 | 容量 | パネルだけの重さ |
|---|---|---|
| 8枚 | 3.52kW | 約165kg |
| 12枚 | 5.28kW | 約247kg |
| 16枚 | 7.04kW | 約330kg |
実際には、これに架台や金具の重さが加わります。太陽光発電協会の資料の「3kWで約300〜500kg」は、こうした部材を含めた屋根部分のシステムの重さです。
建物への負担は、載せる前に確かめる
重さのほかに、風・積雪・地震の力にも耐える必要がある
太陽光発電協会の資料では、太陽光を載せたときの重さに建物が耐えられるかの確認が必要で、重さ以外にも、風・積雪・地震などの力にも耐える必要があるとしています。また、架台を支える点には局所的に力がかかるため、強さを確かめるときに考えに入れる必要がある、としています。強さが足りない場合は補強工事が必要です。
今ある家(既築)の確かめ方
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のガイドラインでは、既築の建物に載せる場合の確かめ方として、次のことを挙げています。
| 確かめること | 内容 |
|---|---|
| 設計図書 | 建物の図面(屋根を支える骨組みの配置や寸法、屋根材の仕様など)を確認する |
| 構造計算書 | 太陽光の重さを加えたときに、建物の構造に問題がないかを確認する |
| 図面がない場合 | 建築士など構造設計の専門家に現地調査を頼む |
| 在来工法の木造住宅 | 構造計算ではなく壁の量の計算だけのことがある。必要な壁の量などを計算する支援ツールがあり、太陽光の重さを入れて計算できる |
| 現地調査 | 図面と実際の建物が一致しているか、建物の骨組みや屋根材に著しい劣化がないか。劣化があれば、部材の交換などで安全にしてから載せる |
環境共生住宅推進協議会の「戸建住宅の太陽光発電システム設置に関する Q&A」(2023年3月・国土交通省 住宅局が編集協力)では、今ある家(既存住宅)に太陽光を載せる場合は、載せても構造上安全かを、耐震診断や構造計算(許容応力度計算)などで確かめる必要があるとしています。あわせて、図面と実際の建物が合っているか、劣化の状況を確かめるための調査(インスペクション)を行うことが望ましい、とされています。
また、建てたときの確認申請の時期によって、次のように書かれています。
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に確認申請をした住宅(新耐震基準より前)で、今の建築基準法に合っていない場合は、太陽光を載せることを考えに入れて耐震診断や構造計算などで耐震性を確かめ、適切に耐震補強をする
- 1981年(昭和56年)6月1日以降に確認申請をした住宅でも、太陽光を載せることを考えに入れて、壁量計算で想定している屋根の重さとの比較や耐震診断、構造計算などで安全性を確かめ、必要に応じて耐震補強をする
- とくに2000年(平成12年)5月31日までに確認申請をした住宅は、耐震性能の検証がすすめられている
太陽光発電協会の資料でも、既築の建物は、築年数による屋根の強さの低下が環境や手入れの状態で違うため、建物の強さを調べる必要がある、としています。
瓦屋根に載せると「重い屋根」に近くなる例
同じQ&Aでは、太陽光を設置する場合は、壁量計算で屋根の荷重が大きくなることを考えに入れるか、構造計算などで構造の安全性を確かめる必要がある、としています。
同じQ&Aには、建築基準法では屋根などの重さを「重い屋根」で約900N/㎡、「軽い屋根」で約600N/㎡と一般的な仕様をもとに決めていることを踏まえた計算例が載っています。瓦葺き(640N/㎡)に木造の母屋(100N/㎡)と太陽電池アレイ(150N/㎡)を足すと890N/㎡で、「重い屋根」に相当する、というものです。重い屋根で想定する重さ(約900N/㎡)を上回る場合は、構造計算などで安全性を確かめることも検討するよう書かれています。
省エネ相談室のアンケートでも、「ソーラーをのせて構造計算上、問題ないのか?」という疑問をいただいたことがあります。
家の図面(設計図書)や構造計算書が手元にあれば、見積もりの前に用意しておくと確認が進めやすくなります。
地震への備え
NEDOのガイドラインには、住宅に設置された太陽光の地震被害の例として、屋根の損傷に伴ってパネルが脱落した事例が載っています。ガイドラインでは、建物が地震で変形しても、パネルを並べた部分(アレイ)がそれについていき、脱落しない仕組みにすることを求めています。
地震のときの太陽光パネルへの影響と、地震のあとの注意点は、こちらで解説しています。
→ 太陽光パネルは地震で落ちる?家への影響と地震のあとの注意
地震や強風に備えるには、載せる前に建物と屋根の強さを確かめ、金具と架台をメーカーの施工方法どおりに取り付けることが大切です。屋根材ごとの取り付け方と雨漏りの注意は、こちらで解説しています。
→ 太陽光パネルを載せられる屋根は?屋根材・形状と雨漏りの注意
省エネ相談室では、屋根の形と状態をうかがい、何枚・何kW載るかを含めた無料のシミュレーションをしています。お気軽にご相談ください。
よくある質問
太陽光パネル1枚の重さは何kgですか?
製品によります。ハンファジャパンの公表値では、440Wのパネル(Re.RISE-NBC 440)が20.6kg、小型の285Wのパネル(Q.TRON S-G2.4+)が14.9kgです。
太陽光を載せると、屋根にどれくらいの重さがかかりますか?
太陽光発電協会の資料では、屋根部分のシステムの重さは3kWで約300〜500kg、1㎡あたり10〜15kgで、積雪に換算すると5〜7cm程度とされています。
古い家でも載せられますか?
建物の強さと屋根の状態しだいです。図面や構造計算書で確かめ、図面がない場合は建築士など専門家に現地調査を頼みます。劣化や強さの不足があれば、補修や補強をしてから載せます。
まとめ
- パネル1枚:製品による(例:ハンファジャパンの440Wで20.6kg、小型の285Wで14.9kg)
- システム全体:3kWで約300〜500kg、1㎡あたり10〜15kg(積雪5〜7cm相当)
- 建物への負担:重さに加えて風・積雪・地震の力にも耐えるかを確かめる。既築は図面・構造計算書、なければ専門家の現地調査
- 地震:屋根の損傷でパネルが脱落した例がある。建物の変形についていく取り付けが求められている