太陽光パネルは、切妻・寄棟など多くの形の屋根、瓦・スレート・金属など多くの屋根材に載せられます。ただし、太陽光発電協会の資料では、次のような場合は載せられないことがあるとされています。
- 特殊な形の屋根
- 勾配がゆるすぎる・急すぎる屋根(一般的には4寸〜6寸程度の勾配が標準)
- 製品が対応していない屋根材
- 屋根の下地(野地板・垂木・防水シート)や建物の強さが、太陽光の重さに耐えられない場合
また、取り付けのときに屋根材や下地に金具を固定するため、施工と防水処理のしかたしだいで雨漏りが起きることがあります。この記事では、屋根材ごとの取り付け方、屋根の形と勾配、雨漏りを防ぐための注意点をまとめます。

目次
屋根材ごとの取り付け方
太陽光発電協会の資料(2023年)とメーカーの施工の案内から、屋根材ごとの取り付け方をまとめます。
| 屋根材 | 主な取り付け金具 | 固定のしかた |
|---|---|---|
| 瓦(和瓦・洋瓦・セメント瓦など) | 瓦用支持金具、支持瓦 | 瓦を外して、屋根の骨組み(垂木)に固定しやすい |
| スレート(薄い板状の屋根材) | スレート用の打ち込み金具 | 屋根の下地板(野地板)に固定する方法になることがある |
| 金属(縦葺き・横葺き・瓦棒など) | 金属屋根用のつかみ金具、打ち込み金具 | つかみ金具は、金属屋根の継ぎ目(ハゼ部)を挟んで留める |
※シャープは、自社の工法では、垂木に固定できない場合の野地板への固定でも、垂木への固定と同等の強度を確保できるとしています。一方、NEDOのガイドラインは、ボルトを留める部材によって引き抜きに耐える力が違う点に注意するよう求めています。どの方法になるかは、製品と屋根の状態で変わります
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のガイドラインでは、住宅の屋根に使われる金具を、屋根材や下地にボルトを通して留めるボルト型と、金属屋根の継ぎ目を挟んで留めるつかみ型に分けて説明しています。ボルト型は、金具メーカーの施工要領に従って、ボルトを通した穴から雨水が入らないようにすることが求められています。
瓦屋根に載せるときの工法・重さ・雨漏りの注意は、こちらで詳しく解説しています。
→ 瓦屋根に太陽光パネルは載せられる?工法・重さ・雨漏りの注意
屋根の形と勾配
切妻・寄棟など多くの形に載せられる
太陽光発電協会の資料では、切妻や寄棟などさまざまな形の屋根に設置できる一方、特殊な形の屋根には設置できない場合がある、とされています。
勾配は4寸〜6寸程度が標準
同じ資料では、一般的には4寸〜6寸程度の勾配が標準で、ゆるい勾配や急な勾配の屋根には設置できない場合がある、とされています。設置できる勾配の範囲は製品によって違うため、メーカーに確かめる必要があります。
屋根の端までいっぱいに並べるときは注意
NEDOのガイドラインでは、住宅の屋根は面積が小さいため、屋根の端まで並べたり、軒や棟からはみ出して並べたりすることがあるが、その場合は風の力の計算の標準的な方法が使えず、特別な検討が必要になる、としています。軒からはみ出して設置すると、建築基準法の建築面積に含まれる場合があることにも注意が必要とされています。
何枚・何kW載るかは、屋根の形と大きさで決まります。パネルの大きさと枚数の目安は、こちらで解説しています。
→ 太陽光パネルの価格は1kWで約13.5万円|1枚あたりの目安
屋根は傷む?雨漏りを防ぐための注意
金具を固定する部分の防水が大切
NEDOのガイドラインでは、屋根材を貫通して太陽光を建物に固定する場合は、雨水が入らないように防水処理を行うこと、防水に使うシール材は、太陽光を使う期間を通して耐久性のあるものを使うことが求められています。シール材は定期的な補修・再施工が必要で、点検の期間とあわせてメンテナンスの計画を立て、家の持ち主と共有することが望ましい、とされています。
実際に起きた雨漏りの例
太陽光発電協会の資料では、事故の例として次のものが挙げられています。
- 施工のときに割れた瓦の部分からの漏水
- 取り付けのビスを打ち間違えた穴からの漏水
NEDOのガイドラインでも、事業者へのヒアリング(2024年度)で、過去の不具合として雨漏りの回答があったとされています。
金属屋根は、水が落ちる場所の腐食に注意
NEDOのガイドラインでは、太陽光を載せることで、屋根材の一部に雨水が集中して流れたり落ちたりする場所ができ、とくに金属屋根では、耐用年数より短い期間で腐食が起きることがあるとしています。防錆テープなどの対策が望ましいとされています。

雨漏りに気づいたら、設置した会社に連絡する
天井や壁にしみが出た、雨のあとに水が落ちてくる、といったことに気づいたら、まず設置した会社に連絡しましょう。屋根には自分で上らないでください。太陽光発電協会の保守点検ガイドラインでは、定期点検で屋根裏・天井裏に結露や雨漏りのあとがないかを確かめることが挙げられていて、日ごろから目で見て確かめる日常点検も持ち主ができることとされています。
省エネ相談室のアンケートでも、引き渡しのときに「水もれ、あまもりなど、確認させてもらいましたが、心配ではあります。」と書いてくださったお客様がいました。施工のあとも、気になることがあれば設置した会社に相談しましょう。
→ 太陽光・蓄電池が故障したら?エラー表示の確かめ方と連絡先
載せる前に確かめること
太陽光発電協会の資料とNEDOのガイドラインをもとに、載せる前に確かめておきたいことをまとめます。
| 確かめること | 内容 |
|---|---|
| 屋根材と勾配 | 選ぶ製品が、その屋根材・勾配に対応しているか |
| 屋根の下地 | 野地板・垂木・防水シート(ルーフィング)の状態。製品によって野地板の厚みや垂木の寸法・間隔が指定されている場合がある |
| 屋根と建物の劣化 | 今ある家は、築年数や手入れの状態で屋根の強さが違う。著しい劣化があれば、補修してから載せる |
| 建物の強さ | 太陽光の重さを加えても建物が耐えられるか(重さの記事で解説) |
| 設置する地域 | 塩害・強風・積雪などの地域では、設置が制限される製品がある |
| 防水とメンテナンス | 金具まわりの防水の方法、シール材の補修の時期を、施工する会社に確かめる |
太陽光パネルの重さと、屋根・建物への負担は、こちらの記事で解説しています。
→ 太陽光パネルの重さは何kg?屋根と建物への負担と確かめ方
今の家に太陽光を後から付ける場合の費用と注意点は、こちらで解説しています。
省エネ相談室では、屋根の形と状態をうかがい、何枚・何kW載るかを含めた無料のシミュレーションをしています。お気軽にご相談ください。
よくある質問
スレート屋根にも太陽光パネルは載せられますか?
載せられます。太陽光発電協会の資料では、スレート用の打ち込み金具が使われるとされています。屋根の下地(野地板)に固定する方法になることがあるため、下地の状態の確認が大切です。
太陽光を載せると雨漏りしやすくなりますか?
金具を固定する部分の防水処理が適切でないと、雨漏りの原因になります。太陽光発電協会の資料には、施工のときに割れた瓦や、ビスの打ち間違いの穴からの漏水の例が挙げられています。防水の方法と、シール材の補修の時期を、施工する会社に確かめましょう。
どんな屋根だと載せられませんか?
特殊な形の屋根、勾配がゆるすぎる・急すぎる屋根、製品が対応していない屋根材の場合は、載せられないことがあります。下地や建物の強さが足りない場合は、補強工事が必要になることもあります。
まとめ
- 多くの屋根に載せられる:瓦・スレート・金属など。屋根材ごとに金具と固定のしかたが違う
- 載せられないことがある:特殊な形、勾配がゆるすぎる・急すぎる(4寸〜6寸程度が標準)、対応していない屋根材、下地や建物の強さが足りない
- 雨漏りを防ぐ:金具まわりの防水処理と、シール材の定期的な補修。金属屋根は水が落ちる場所の腐食にも注意
- 載せる前に:屋根材・勾配・下地・劣化・地域・防水の方法を確かめる