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太陽光パネルは地震で落ちる?家への影響と地震のあとの注意
太陽光パネルは地震で落ちる?家への影響と地震のあとの注意

「屋根に重い太陽光パネルを載せて、大きな地震が来たら大丈夫だろうか」。太陽光を考えている方も、すでに付けている方も、気になるところではないでしょうか。

結論から言うと、地震で屋根が傷み、パネルが外れて落ちた例はあります。NEDO(国の研究開発法人)のガイドラインでは、地震の力を計算に入れて取り付けること、建物がどれくらい耐えられるかを載せる前に確かめることが示されています。

また、地震で壊れたパネルは、光が当たると発電するため、触ると感電するおそれがあります。地震のあとは、自分で屋根に上ったり、壊れたパネルに触ったりしてはいけません。

この記事では、パネルを載せた家と地震の関係、パネルが落ちた例と取り付けの基準、地震のあとの安全な確かめ方、保険と保証について、国や業界団体の資料をもとにまとめます。福岡で想定されている地震についても触れます。

地震の前に備えることと、地震のあとにすること。地震の前(載せる前・契約の前に確かめる):1 建物の確認(太陽光の重さを加えても地震に耐えられるか)、2 取り付け方(金具と架台をメーカーの施工方法どおりに取り付けるか)、3 保険と保証(地震保険、メーカーの保証・補償での地震の扱い)。地震のあと(自分で直そうとしない):1 近づかない(屋根には上らず地上から目で見て確かめる)、2 触らない(壊れたパネルも光が当たると発電し感電のおそれ)、3 設置した会社へ連絡(異常があればそのまま使わず通電せずに連絡)

福岡でも、大きな地震は起きている

2005年の福岡県西方沖の地震

福岡では、2005年3月20日に福岡県西方沖の地震(マグニチュード7.0)が起きました。福岡管区気象台の資料では、福岡市と糸島市(当時は前原市)、佐賀県みやき町で震度6弱を観測し、被害は死者1名、負傷者1,204名、住家の全壊・半壊497棟、一部破損9,338棟とされています(2009年6月12日現在)。

福岡市の中心部を通る「警固断層帯」

地震調査研究推進本部(国の地震の調査・評価の機関)によると、警固(けご)断層帯は、玄界灘から博多湾を経て福岡平野にのびる、長さ55km程度の活断層帯(くり返し動いてきた地下の割れ目)です。福岡市の中央区・南区、春日市、大野城市、太宰府市を経て、筑紫野市に至ります。

2005年の地震は、この断層帯の北西部(玄界灘側)が動いたものとされています。一方、博多湾から筑紫野市にかけての南東部では、マグニチュード7.2程度の地震が想定されていて、今後30年以内に起きる確率は0.3〜6%(2026年1月1日時点の評価)です。地震調査研究推進本部は、この確率を「我が国の主な活断層の中では高いグループに属する」としています。

太陽光を載せる家でも、載せない家でも、福岡で地震への備えが要ることに変わりはありません。そのうえで、太陽光を載せる家ならではの注意を見ていきます。

パネルを載せると、地震のときに家への負担は増える?

屋根の重さが増えるぶん、建物の確認が要る

太陽光発電協会の資料では、屋根に載せるシステム(パネル・架台など)の重さは、1㎡あたり10〜15kg(積雪に換算すると5〜7cm程度)が目安とされています。

環境共生住宅推進協議会のQ&A(国土交通省 住宅局が編集協力)では、太陽光の機器を屋根の一部に載せて固定するため、地震や強風などによる住宅の構造の安全性への影響を十分に考える必要があるとしています。木造住宅で地震に耐えるために必要な壁の量(壁量)は、屋根が重いか軽いかによって変わるため、太陽光を載せたぶん屋根の重さが増えることを考えに入れて、安全性を確かめる必要がある、という考え方です。

つまり、「載せたら必ず危ない」でも「何もしなくて大丈夫」でもなく、載せる前に、その家が太陽光の重さを加えても地震に耐えられるかを確かめることが大切です。

建てた時期(1981年・2000年の基準の境目)ごとの確かめ方や、パネルの重さの計算は、こちらで詳しく解説しています。

→ 太陽光パネルの重さは何kg?屋根と建物への負担と確かめ方

地震でパネルが落ちた例と、取り付けの基準

屋根が傷んで、パネルが外れた例

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「建物設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン(2025年版)」には、住宅に設置された太陽光の地震被害の例として、屋根の損傷に伴ってパネルが脱落した事例が載っています。

パネルそのものだけでなく、パネルを支える屋根が傷むと、パネルも一緒に外れることがある、ということです。

地震の力を計算に入れて取り付ける

同じガイドラインでは、パネルを支える架台や、部材どうしのつなぎ目について、次のような考え方が示されています。

ガイドラインの考え方わかりやすく言うと
架台・部材のつなぎ目は、まれに起こる地震・暴風・大雪に対して、許容応力度設計(部材にかかる力が、材料の耐えられる範囲に収まるかを計算で確かめる設計)を行うことを基本とする大きな地震でも壊れないかを、計算で確かめて設計する
地震のときの力(設計用地震荷重)は、パネルや架台の重さに、揺れの強さを表す係数を掛けて求める載せるものが重いほど、地震のときにかかる力も大きく見積もる
建物が地震の力で変形しても、パネルを並べた部分(アレイ)がそれについていき、外れないような仕組みにする家が揺れてゆがんでも、パネルが外れないように取り付ける
地震の力を計算に入れて取り付ける。1 地震のときに太陽光にかかる力:パネル・架台の重さ×揺れの強さを表す係数=地震のときの力(設計用地震荷重)。載せるものが重いほど地震のときにかかる力も大きく見積もり、架台や部材のつなぎ目は、まれに起こる大きな地震でも壊れないかを計算で確かめて設計するのが基本。2 建物の変形についていく取り付け:建物が地震の力で変形しても、パネルを並べた部分(アレイ)がそれについていき、外れないような仕組みにする(イメージ図)

契約の前に確かめたいこと

  • 建物の確認:図面や構造計算書で、太陽光を載せても地震に耐えられるかを確かめるか。図面がなければどう確かめるか
  • 取り付け方:金具と架台を、メーカーの施工方法どおりに取り付けるか
  • 地震のあとの頼み先:点検や修理を頼める先(設置した会社・メーカー)を、契約の前に確かめておく

屋根材ごとの取り付け方と雨漏りの注意は、こちらで解説しています。

→ 太陽光パネルを載せられる屋根は?屋根材・形状と雨漏りの注意

地震のあと:壊れたパネルには近づかない・触らない

壊れていても、光が当たると発電する

太陽光発電協会は、震災で被害を受けた場合の注意として、太陽電池パネルは壊れていても日光が当たると発電し、感電のおそれがあるため、一般の方は絶対に触らないよう呼びかけています。

家が壊れて、パネルや、パネルに配線でつながっている接続箱(パネルからの配線をまとめる箱)・パワーコンディショナ(パワコン:発電した電気を家で使える電気に変える機器)ががれきに混じっている場合も、感電や、漏電による火災の危険があるとしています。

停電が直ると、太陽光は自動で動き出す

電力会社の電気とつないで動いている太陽光は、地震で停電すると自動で運転を止めます(停電時に自動で自立運転や蓄電池に切り替わる機種もあります)。ただし太陽光発電協会によると、停電が直り、日が当たっていれば、自動で運転を再開します。

そのため、地震で家が倒れるおそれがあるときは、機器や配線が傷んでいて漏電する危険があることから、分電盤のブレーカー(遮断器)を切り、パワコンの運転を停止にしてから避難するよう案内されています。

地震のあとに確かめる順番

国や業界団体の資料をもとに、地震のあとの確かめ方を順番にまとめると、次のようになります。

順番すること資料での案内
1家が倒れるおそれがあるときは、分電盤のブレーカーを切り、パワコンを停止にして避難する太陽光発電協会
2屋根には上らず(危険なため)、地上から目で見て、パネルのずれ・割れ・部品の落下がないかを確かめる環境共生住宅推進協議会のQ&A(地震や台風のあとは目で見て異常がないか確かめる)
3発電量の表示を見て、極端に少なくなっていないかを確かめる同Q&A
4壊れたパネルや、地面に落ちた部品には近づかない・触らない太陽光発電協会
5異常に気づいたら、そのまま使わず(通電せず)、設置した会社(販売店・施工店)に連絡する太陽光発電協会

太陽光発電協会は、2024年1月の能登半島地震のあとにも、屋根の上の太陽光発電設備に損傷が見つかった場合は、そのまま使わず(通電せず)、手を触れずに、販売店・施工店に連絡するよう呼びかけています。

屋根の上の点検は、自分で上らず、設置した会社に頼みましょう。屋根の上は落ちる危険があります。

地震のあとに確かめる順番。1 避難のときは止めてから(家が倒れるおそれがあるときは分電盤のブレーカーを切り、パワコンを停止にして避難)、2 地上から目で見る(屋根には上らず、パネルのずれ・割れ・部品の落下がないか)、3 発電量を見る(表示が極端に少なくなっていないか)、4 近づかない・触らない(壊れたパネル、地面に落ちた部品)、5 設置した会社に連絡(異常があればそのまま使わず通電せず、販売店・施工店へ)。壊れていても光が当たるとパネルは発電し、触ると感電するおそれがある

エラー表示が出たときの確かめ方と、連絡するときに伝えることは、こちらで解説しています。

→ 太陽光・蓄電池が故障したら?エラー表示の確かめ方と連絡先

地震で停電したときに、太陽光の電気を使うには

設備に傷みがなければ、停電中でも「自立運転」に切り替えると、晴れた昼間に専用のコンセントから電気を使えます。使い方と、蓄電池がある場合の違いは、こちらで解説しています。パネルや配線に傷みが見つかったときは、使わずに設置した会社へ連絡してください。

→ 太陽光発電は停電時に使える?蓄電池の有無で変わる範囲と備え

地震で壊れたときの保険と保証

火災保険では、地震による損害は原則として補償されない

財務省の案内では、地震保険は、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による損害を補償する保険です。火災保険では、地震を原因とする火災による損害などは補償されません。

地震保険は火災保険とセットで契約するもので、すでに火災保険に入っている場合は、契約の途中からでも加入できます。対象は住まいの建物と家財で、保険金は、建物や家財が「全損・大半損・小半損・一部損」のどれに当たるかで決まります。

財務省の資料には、太陽光パネルの扱いは書かれていません。ご加入の保険会社・代理店に、太陽光パネルの扱いを確かめておきましょう。

メーカーの災害補償は、地震を対象外にしている例がある

メーカーによっては、製品の保証とは別に、台風や落雷などの災害による損害を補う制度を用意しています。ただし、たとえばニチコンの家庭用蓄電システムの災害補償制度では、地震・噴火またはこれらによる津波が原因となる損害は補償の対象外とされています。

保証や補償の中身は、メーカーと機種で違います。太陽光パネルやパワコン、蓄電池の保証書で、自然災害と地震の扱いを確かめておくと安心です。

日ごろの点検で、地震への備えを

地震のあとに慌てないためには、日ごろから機器の状態を知っておくことも大切です。点検の内容と時期は、こちらで解説しています。

→ 太陽光のメンテナンスは何をする?点検の時期と費用の目安

点検を名目にした訪問販売の注意は、こちらで解説しています。

→ 太陽光の点検商法に注意|「無料点検」「義務化」と言われたら

台風の前後の備えは、こちらをご覧ください。

→ 太陽光パネルは台風で飛ぶ?強風の被害例と台風前後の備え

省エネ相談室では、設置後のメンテナンスとして、太陽光パネルの洗浄と点検、架台のボルトのゆるみのチェック、接続箱のケーブル・配線の施工状態の確認などに取り組んでいます。お気軽にご相談ください。

省エネ相談室が施工事例として掲載している太陽光の107件は、こちらからご覧いただけます。お住まいの市町の施工事例は、対応エリアのページから探せます。

→ 太陽光発電の施工事例の一覧

無料相談・お見積りはこちら

よくある質問

太陽光パネルを載せると、地震で家が倒れやすくなりますか?

太陽光を載せると屋根が重くなるため、その重さを加えても地震に耐えられるかを、載せる前に確かめる必要があります。木造住宅では、地震に耐えるために必要な壁の量が屋根の重さで変わるため、太陽光の重さを考えに入れて安全性を確かめる、という考え方です。確かめ方は太陽光パネルの重さの記事で解説しています。

地震で太陽光パネルが落ちることはありますか?

あります。NEDOのガイドラインには、屋根の損傷に伴ってパネルが脱落した住宅の事例が載っています。ガイドラインでは、建物が地震で変形しても、パネルを並べた部分がそれについていき、外れない仕組みにすることを求めています。

地震のあと、自分で屋根に上ってパネルを確かめてもいいですか?

屋根には上らないでください。地上から目で見て、ずれや割れがないか、発電量の表示が極端に少なくなっていないかを確かめ、異常があれば設置した会社に連絡しましょう。壊れたパネルは、光が当たると発電し、触ると感電するおそれがあります。

地震でパネルが壊れたら、保険は使えますか?

火災保険では、地震を原因とする損害は原則として補償されません。地震保険は火災保険とセットで入る保険です。太陽光パネルが対象に含まれるかは、ご加入の保険会社・代理店に確かめてください。

まとめ

  • 福岡でも地震は起きている:2005年の福岡県西方沖の地震は最大震度6弱。警固断層帯(南東部)は今後30年以内の発生確率0.3〜6%で、主な活断層の中では高いグループ
  • 家への負担:太陽光の重さ(1㎡あたり10〜15kg)を加えても地震に耐えられるかを、載せる前に確かめる
  • 落ちた例はある:屋根の損傷に伴ってパネルが脱落した例。ガイドラインは、地震の力を計算に入れ、建物の変形についていく取り付けを求めている
  • 地震のあと:壊れたパネルは光が当たると発電し、感電のおそれ。近づかず、触らず、設置した会社に連絡する。家が倒れるおそれがあるときは、ブレーカーとパワコンを止めて避難
  • 保険と保証:火災保険では地震の損害は原則として補償されない。地震保険と、メーカーの保証・補償での地震の扱いを確かめておく

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