太陽光パネルは屋外に設置されるため、台風の強風や豪雨で壊れたり、飛ばされたりすることがあります。経済産業省は2025年8月、「太陽電池発電設備における台風起因の電気事故への注意喚起」を出し、規模の小さい台風でも事故が起きており、事前の備えが大切だとしています。
一方で、台風で壊れたパネルには、光が当たると発電して感電するおそれがあります。壊れたパネルを見つけても、自分で近づいたり触ったりしてはいけません。
この記事では、強風の被害の例、台風が近づく前に確かめること、台風のあとの注意をまとめます。

目次
強風でパネルが壊れる・飛ぶことはある
国の注意喚起
経済産業省は、近年の気候変動の影響で、より強い風や激しい雨をともなう「猛烈な台風」が発生しやすくなっているとし、太陽電池発電設備は屋外にあるため、強風や豪雨の影響を受けやすく、破損や水没による電気事故のリスクが高まると注意を呼びかけています。
また経済産業省は、強風や雪の重みでパネルや支える部材が壊れたり、壊れた設備が飛んで近くの住宅に被害を与えたりするおそれがある、としています。
NEDOのガイドラインにある強風の被害の例
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「建物設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン(2025年版)」には、強風の被害の例として次のものが載っています。
- 5階建ての集合住宅の屋上(平らな屋根)に、架台を組んで設置した太陽光が、架台ごと飛ばされ、約30m飛んで近くの住宅の敷地に落ちた
- 台風の強風で、折板屋根(金属板を折り曲げた屋根)に設置したパネルが飛ばされた
ガイドラインは、飛ばされた太陽光は他人に危害を与えるため、建物から飛ばされないようにすることを求めています。
屋根の端まで並べるときは、風の検討が要る
NEDOのガイドラインでは、住宅の屋根の端まで並べたり、軒や棟からはみ出して並べたりすると、風の力を計算する標準的な方法が使えず、特別な検討が必要になる、としています。屋根の形とパネルの並べ方については、こちらで解説しています。
→ 太陽光パネルを載せられる屋根は?屋根材・形状と雨漏りの注意
台風が近づく前に確かめること
経済産業省は、強風の被害が想定される場合として、次の点検を呼びかけています。
| 確かめること | 経済産業省の案内(要旨) |
|---|---|
| 金具・架台 | パネルを固定する金具や架台のつなぎ目に、ボルトのゆるみがないか |
| 屋外の電気設備 | 壊れているところがないか。壊れた設備が飛ぶおそれがあれば、固定や補修・補強をする |
| 雨水の入り口 | 屋外の電気設備の外側に、ひびや隙間がないか(大雨が想定される場合) |
屋根の上の点検は、自分で上らず、設置した会社に頼みましょう。屋根の上は落ちる危険があります。日ごろの定期点検は、国の委員会の資料(太陽光発電協会へのヒアリング)で、3〜5年ごとに1回程度が推奨されています。
点検の頼み方と、点検を名目にした訪問販売の注意は、こちらで解説しています。
→ 太陽光の点検商法に注意|「無料点検」「義務化」と言われたら
台風のあと:壊れたパネルには近づかない
光が当たると発電し、感電するおそれがある
経済産業省は、壊れた発電設備は大変危険で、けがや感電のおそれがあるため、むやみに近づかないよう呼びかけています。とくに太陽光は、壊れたり水につかったりしても、光が当たれば発電することがあり、壊れた部分やケーブルに触ると感電する危険がある、としています。
対処は、電気の知識のある人に
経済産業省は、対処は電気主任技術者や電気工事士、販売施工業者など、電気の知識のある人が行うように、としています。また、壊れた設備が飛ばないようにシートで覆うなど、二次被害を防ぐことも呼びかけています。
台風のあとに屋根の上のパネルがずれている、割れている、部品が落ちている、といったことに気づいたら、近づかずに、設置した会社かメーカーに連絡しましょう。
地震のときの太陽光パネルへの影響と、地震のあとの注意点は、こちらで解説しています。
→ 太陽光パネルは地震で落ちる?家への影響と地震のあとの注意
よその家の壊れた設備を見かけたら
経済産業省は、壊れた再エネ発電設備を見かけた場合は決して近寄らず、最寄りの産業保安監督部や経済産業省、または設置者に知らせるよう呼びかけています。
台風が多い地域で、契約の前に確かめたいこと
- 設置する地域の条件:太陽光発電協会の資料では、強風地域・塩害地域などでは、設置が制限されている製品があるとされています。地域の条件を満たす製品か確かめる
- 金具と架台の取り付け:メーカーの施工方法どおりに取り付けるか
- 点検の頼み先:台風のあとに点検や修理を頼める先(設置した会社・メーカー)を、契約の前に確かめておく
省エネ相談室では、設置後のメンテナンスとして、太陽光パネルの洗浄と点検、架台のボルトのゆるみのチェック、接続箱のケーブル・配線の施工状態の確認などに取り組んでいます。お気軽にご相談ください。
よくある質問
太陽光パネルは台風で飛びますか?
飛ぶことがあります。NEDOのガイドラインには、集合住宅の屋上に設置した太陽光が架台ごと約30m飛ばされた例や、台風の強風で折板屋根のパネルが飛ばされた例が載っています(いずれも屋上〈平らな屋根〉・折板屋根の例です)。設置する地域の条件に合う製品と、施工方法どおりの取り付けが大切です。
台風の前に、自分でパネルを点検したほうがいいですか?
屋根の上には自分で上らないでください。経済産業省は、強風が予想されるときに金具や架台のボルトのゆるみなどを点検するよう呼びかけています。点検は、設置した会社に頼みましょう。
台風で壊れたパネルを片付けてもいいですか?
触らないでください。経済産業省は、太陽光は壊れたり水につかったりしても光が当たれば発電することがあり、触ると感電する危険があるとしています。対処は、電気の知識のある人(設置した会社など)に頼みましょう。
まとめ
- 台風で壊れる・飛ぶことはある:経済産業省が注意喚起。NEDOのガイドラインにも、架台ごと約30m飛ばされた例がある(屋上〈平らな屋根〉・折板屋根の例)
- 台風の前に:金具・架台のボルトのゆるみ、屋外の機器の破損、雨水の入り口を確かめる。屋根の上は自分で上らず、設置した会社に頼む
- 台風のあと:壊れたパネルは光が当たると発電し、感電のおそれがある。近づかず、設置した会社かメーカーに連絡する
- 契約の前に:地域の条件に合う製品か、施工方法、台風のあとの点検の頼み先を確かめる