蓄電池の見積もりは、複数の会社から取って、同じ条件で比べるのが基本です。
- 国の蓄電池補助金(DR補助金)の公募要領では、必須ではないものの「三者見積等を取得し、事業者を比較することを推奨する」とされています
- 国民生活センターも、「その場で契約をせずに複数社から見積もりをとり比較検討しましょう」と呼びかけています
この記事では、見積もりを頼む前に用意しておくもの、見積書で確かめたい項目、複数の見積もりを比べる方法をまとめます。

目次
見積もりは何社から取る?
3社程度を目安に
国の補助金の公募要領が「三者見積等」をすすめていることを目安に、3社程度から取ると比べやすくなります。1社だけだと、その金額や内容が妥当かを判断する材料がありません。
補助金を使うなら、見積もりは契約の前に
国のDR補助金(2026年分)では、見積もりを取ることは交付決定の前でもよい一方、契約・発注・支払い・工事は交付決定のあとでなければ対象外でした。補助金を使う予定があるときは、見積もりの段階で、申請と契約の順番を確かめておくことが大切です。国の補助金のくわしい条件は、こちらで解説しています。
→ 蓄電池の国の補助金|2026年のDR補助金の金額と今使える制度
見積もりを頼む前に用意しておくもの
同じ条件で見積もりを出してもらうために、次のものを用意して、どの会社にも同じように伝えましょう。
| 用意するもの | なぜ必要か |
|---|---|
| 電気の使用量がわかるもの(検針票・電力会社のサイトの使用量) | 容量を決める材料になる |
| 今ある太陽光の情報(パネルとパワーコンディショナの型番、設置した年、固定価格の買取の期間) | 今のパワーコンディショナを残すか替えるかで、見積もりの中身が変わる |
| 停電のときに使いたい場所・家電 | 家じゅう(全負荷型)か、決めた場所だけ(特定負荷型)かが変わる |
| 置き場所の候補(屋内・屋外) | 工事の内容が変わる |
| 使いたい補助金 | 申請と契約の順番が変わる |
| 分電盤の写真(ふたを開けたところ) | 停電時に電気を送る回路の数や、つなぐ場所を見積もりの前に確かめられる |
| 希望(決まっていれば):容量・方式・予算 | どの会社にも同じ希望を伝えると、見積もりの条件がそろう |
伝え方のコツ:同じ内容をメールなど文字で送ると、伝えた条件が会社ごとにずれにくくなります。容量や方式を決めていない場合は、「決めていないので、提案の理由も書いてほしい」と、どの会社にも同じように伝えましょう。
容量の決め方と、置き場所の決め方は、それぞれこちらで解説しています。
見積書で確かめたい項目
機器と工事が、項目ごとに分かれているか
国のDR補助金(2026年分)の公募要領では、見積もりについて次のように決められていました。
| 公募要領の決まり | 意味 |
|---|---|
| 申請に「見積書」と、指定の書式の「見積内訳書」を出す | 補助の対象になる機器・工事を、項目ごとに分けて示す必要があった |
| 「必須としないが三者見積等を取得し、事業者を比較することを推奨する」 | 3社程度から見積もりを取って比べることがすすめられていた |
| 「三者見積は交付決定前の実施も可とする」 | 見積もりを取ることは、補助金の交付決定の前でもよい(契約・発注・支払い・工事は交付決定のあと) |
| 補助の対象外の工事とまとめて契約する場合も、「それぞれの実施内容及び金額等が明確に確認できるようにすること」 | 何にいくらかかるかを分けて書く |
| 交付決定のあとに販売店を変える場合は、契約の前に事務局に連絡する | 見積もりを比べて決めた販売店で、申請と契約を進める |
補助金を使わない場合でも、何にいくらかかるのかが項目ごとに分かれて書かれているかは、見積もりを比べるうえで大切です。
チェック表
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 蓄電池 | メーカー・型番・容量(蓄電容量か実効容量か) |
| パワーコンディショナ | 型番・台数。今のパワーコンディショナを残すか替えるか |
| 停電時の方式 | 全負荷型か特定負荷型か。分電盤などの部材が含まれているか |
| 工事 | 設置・配線・基礎などの工事が含まれているか。今の機器の撤去が含まれているか |
| 手続き | 電力会社への手続き、固定価格の買取(FIT)の認定がある場合の国への手続きを、誰が行い、費用が含まれているか |
| 保証 | 機器保証・容量保証の年数と中身。工事の保証があるか |
| 補助金 | 使う補助金の正式な名前、申請を誰がいつ行うか |
| 支払い | 支払いの時期と方法。ローンを使う場合は金利(実質年率)・回数・支払総額 |
保証の考え方は、こちらで解説しています。
支払い方法とローンも、見積もりの段階で確かめる
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 支払いの時期(契約時・工事前・工事完了後など)と回数 | 契約の前に、いつ・いくら払うかを決めておく |
| ローンを使う場合は、金利(実質年率)・回数・支払総額 | 「月々いくら」だけでは、利息も含めた総額がわからない |
| 販売店を通す分割払い(個別クレジット)を使う場合の手数料 | 国のDR補助金(2026年分)では、信販会社から販売店への入金額が契約金額と違う場合(振込手数料以外の減額)は補助の対象外とされ、加盟店手数料などが発生しないことの確認が求められていた |
| 補助金が入る時期 | 国のDR補助金や市町村の補助金には、工事と支払いが終わり、実績報告をしてから入るものがある。ローンの借入額や支払いの計画に関わる |
ローンの種類と、金利による支払総額の違いは、こちらで解説しています。
複数の見積もりを、同じ条件で比べる
条件がそろっているかを先に見る
金額を比べる前に、上のチェック表で、容量・方式・工事の範囲・保証がそろっているかを確かめましょう。条件が違えば、金額が違うのは当然です。そろっていないときは、同じ条件で出し直してもらいます。
1kWhあたりに直して比べる
条件がそろったら、蓄電池の分の金額を容量で割って、1kWhあたりの価格に直すと比べやすくなります。容量の種類(蓄電容量か実効容量か)は、すべての見積もりでそろえます。国の資料にもとづく価格の目安は、こちらの記事で解説しています。
→ 蓄電池の価格・費用相場|1kWh単価と容量別の目安【2026年】
その場で決めない
国民生活センターは、「契約するときは契約書の内容をしっかり確認しましょう」とも呼びかけています。見積書を受け取ったら、持ち帰って比べ、わからない点は書面で答えてもらいましょう。
省エネ相談室では、無料でシミュレーションをしています。お気軽にご相談ください。
よくある質問
蓄電池の見積もりは何社から取ればいいですか?
3社程度が目安です(国の補助金の公募要領も「三者見積等」をすすめていました)。ただ、社数よりも、どの会社にも同じ条件で依頼できているかが大切です。条件がそろっていないと、何社から取っても正しく比べられません。
見積もりを取ったら、断りにくくなりませんか?
見積もりは、契約ではありません。国の補助金でも、見積もりの取得は交付決定の前に行ってよいとされていました。比べたうえで、納得できる会社を選びましょう。
見積書のどこを見ればいいですか?
蓄電池とパワーコンディショナの型番・容量、停電時の方式、工事・撤去・手続きが含まれているか、保証、補助金、支払いです。何にいくらかかるかが分かれて書かれているかを確かめてください。
まとめ
- 何社:3社程度が目安(国の補助金の公募要領も「三者見積等」をすすめている)
- 頼む前に:電気の使用量、今の太陽光の情報、停電時の希望、置き場所、使いたい補助金、分電盤の写真を用意し、どの会社にも同じように(できれば文字で)伝える
- 支払い:支払いの時期、ローンの金利(実質年率)・回数・支払総額、個別クレジットの手数料、補助金が入る時期を確かめる
- 見積書:機器・方式・工事・手続き・保証・補助金・支払いが、項目ごとに分かれているかを確かめる
- 比べ方:条件をそろえてから、1kWhあたりに直して比べる。その場で決めない