マンションで据え置き型の家庭用蓄電池を置けるかどうかは、建物のルール(管理規約)と、置く場所の条件(広さ・重さ・配線)で決まります。
分譲マンションのベランダ(バルコニー)は、国土交通省の「マンション標準管理規約」では、共用部分で、各住戸の区分所有者が専用使用権を持つ部分という扱いです。標準管理規約の考え方では、ベランダに物を固定する工事で、あらかじめ決められた場所への設置でないものは、理事会の承認が必要な工事の例に挙げられています。
つまり、マンションで据え置き型の蓄電池を考えるときは、まず管理規約を確かめ、管理組合に相談するのが出発点です。この記事では、管理規約で確かめること、蓄電池の大きさと重さの例、賃貸の場合、ポータブル電源との違いをまとめます。

目次
分譲マンションのベランダは「共用部分」
国土交通省の標準管理規約での扱い
国土交通省の「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年改正)では、ベランダは次のように扱われています。
| 項目 | 標準管理規約での扱い |
|---|---|
| ベランダ(バルコニー) | 専有部分に属さない「建物の部分」として共用部分に含まれる(別表第2) |
| 使う権利 | 区分所有者は、バルコニー等について専用使用権を持つ(第14条)。部屋を借りた人も、そのバルコニー等を使える |
| 物を固定する工事 | 「バルコニーに物品を固定する工事であらかじめ定められた場所への設置でないもの」は、理事会の承認が必要な工事の例(承認の条件として、避難上の支障・防水層や排水・躯体へのボルトの打ち込みなどを確認) |
| 躯体(コンクリート)への穴あけ | 躯体への穿孔やアンカーボルトの打ち込みを伴う工事は、理事会の承認が必要な工事の例 |
標準管理規約は、国が示している「ひな形」です。実際のルールは、マンションごとの管理規約と使用細則で決まります。お住まいのマンションの規約を確かめてください。
管理組合に確かめたいこと
- ベランダに機器を置いたり、固定したりしてよいか。置ける場所が決められているか
- 避難の通路(隔て板や避難はしごのまわり)をふさがないか
- 床の防水や排水に影響しないか
- 壁に穴をあけたり、ボルトを打ち込んだりする工事が必要か、それが認められるか
- 分電盤から配線を通す経路が、共用部分を通らないか
据え置き型の蓄電池の大きさと重さ
据え置き型の家庭用蓄電池は、容量によって大きさも重さも大きく違います。ニチコンが公式サイトで公表している現行の単機能型の例を紹介します。
| 機種(ニチコン) | 容量(公称) | 蓄電池ユニットの質量 | 大きさ(幅×高さ×奥行) | 設置場所 |
|---|---|---|---|---|
| ESS-U5M1 | 7.7kWh | 73kg | 458×608×268mm | 屋外 |
| ESS-U5L1 | 9.7kWh | 87kg | 458×700×268mm | 屋外 |
| ESS-U4M1 | 11.1kWh | 190kg | 1,060×1,250×300mm | 屋外 |
※ニチコンの公式サイトの値(大きさは突起部を含まない)。蓄電池ユニットのほかに、パワーコンディショナなどの機器が別に必要な構成もあります。型番ごとにメーカーの仕様で確かめてください
ベランダに置く場合は、床が重さに耐えられるか、避難や通行の妨げにならないかも、管理組合と設置する会社に確かめる必要があります。
蓄電池・パワーコンディショナの置き場所の決め方(戸建ての場合)は、こちらで解説しています。
→ 蓄電池・パワコンの設置場所の決め方|契約前に確かめたい7つ

賃貸のマンション・アパートの場合
賃貸の部屋で、据え置き型の蓄電池のように配線工事が必要な機器を付ける場合は、まず貸主(大家さん・管理会社)に相談しましょう。分譲マンションの部屋を借りている場合は、貸主を通じて管理組合のルールも関わります。
工事のいらない「ポータブル電源」は別の選択肢
工事をせずに停電に備えたい場合、家電を直接差して使うポータブル電源という選択肢もあります。
| 据え置き型の家庭用蓄電池 | ポータブル電源 | |
|---|---|---|
| つなぎ方とマンションでの手続き | 家の分電盤につなぐ(電気工事が必要)。管理規約の確認・管理組合への相談が必要 | 家電を直接差して使う。置くだけなら工事は不要 |
家庭用蓄電池とポータブル電源の違いは、こちらの記事でくわしく解説しています。
よくある質問
マンションのベランダに蓄電池を置いてもいいですか?
マンションごとの管理規約によります。国土交通省の標準管理規約では、ベランダは共用部分で、各住戸に専用使用権があるという扱いです。物を固定する工事で、決められた場所への設置でないものは、理事会の承認が必要な工事の例とされています。まず規約を確かめ、管理組合に相談してください。
工事をせずに停電に備える方法はありますか?
ポータブル電源は、家電を直接差して使うため、配線工事がいりません。家のコンセント全体に電気を送るものではない点に注意してください。
まとめ
- 分譲マンションのベランダ:国土交通省の標準管理規約では共用部分で、各住戸に専用使用権がある。物を固定する工事は理事会の承認が必要な工事の例
- まず確かめる:管理規約と使用細則、管理組合への相談(避難・防水・躯体への穴あけ・配線の経路)
- 機器の大きさ:容量で大きく違う(ニチコンの現行機の例:7.7kWhで73kg、11.1kWhで190kg)
- 賃貸:まず貸主に相談。工事のいらないポータブル電源も選択肢