新着情報

News
瓦屋根に太陽光パネルは載せられる?工法・重さ・雨漏りの注意
瓦屋根に太陽光パネルは載せられる?工法・重さ・雨漏りの注意

「うちは瓦屋根だけど、太陽光パネルは載せられるの?」「瓦が割れたり、雨漏りしたりしない?」と気になる方は多いと思います。

瓦屋根に太陽光パネルを載せる方法は、業界団体の資料でも紹介されています。主な方法は、瓦を外して屋根の骨組みに金具を取り付ける方法と、金具の付いた瓦(支持瓦)に置き換える方法です。

ただし、瓦屋根には瓦屋根ならではの注意があります。

  • 瓦屋根は、もともと「重い屋根」に分類される
  • 瓦の下にある防水シートや野地板(屋根の下地の板)の傷みは、外からは見えにくい
  • 工事のときに瓦が割れたり、すき間ができたりすると、そこから雨水が入ることがある

この記事では、国土交通省 住宅局が編集に協力した「戸建住宅の太陽光発電システム設置に関する Q&A」(環境共生住宅推進協議会・2023年)や、太陽光発電協会の資料をもとに、瓦屋根への取り付け方、重さの考え方、雨漏りを防ぐための注意、載せる前に確かめたいことをまとめます。

瓦・スレート・金属など、屋根材ごとの違いをまとめて知りたい方は、こちらをご覧ください。

→ 太陽光パネルを載せられる屋根は?屋根材・形状と雨漏りの注意

瓦屋根の種類と、瓦の下のつくり

瓦にはいくつかの種類がある

太陽光発電協会の資料では、瓦の形の代表例として次のものが挙げられています。

瓦の形呼び方の例
J型瓦和瓦
S型瓦洋瓦
F型瓦平らな形の瓦
波瓦−
セメント瓦−

素材で分けると、粘土を焼いた粘土瓦(表面に釉薬をかけて焼いた陶器瓦、そのまま焼いた素焼き瓦)と、セメントを使ったセメント瓦などがあります。

ご自宅の瓦がどれに当たるかで、使える金具や取り付け方が変わることがあります。

瓦の下には、防水シートと野地板がある

瓦屋根は、瓦だけで雨を防いでいるわけではありません。太陽光発電協会の資料では、瓦屋根のつくりが次のように示されています。

上から順に役割
桟瓦
(さんがわら)
いちばん上の、目に見える瓦
瓦桟木
(かわらさんぎ)
瓦を引っかけて留める細い木
ルーフィング
(防水シート)
瓦の下で雨水を止めるシート
野地板
(のじいた)
屋根の下地の板
垂木
(たるき)
野地板を支える屋根の骨組み

太陽光パネルの金具は、主に垂木などの骨組み(または補強板)に固定します。つまり、瓦屋根に太陽光を載せる工事は、瓦の下の防水シートや下地にも関わる工事です。

瓦屋根のつくりと、太陽光の取り付け方の模式図。瓦屋根は上から、桟瓦(いちばん上の目に見える瓦)、瓦桟木(瓦を引っかけて留める細い木)、ルーフィング(瓦の下で雨水を止める防水シート)、野地板(屋根の下地の板)、垂木(野地板を支える屋根の骨組み)。方法1 支持金具を使う:瓦を外して、瓦の下の屋根の骨組み(垂木)などに金具を固定し、瓦を戻す。方法2 支持瓦を使う:架台を固定できる形に作られた瓦(支持瓦)を、元の瓦と置き換える。どの方法になるかは、使うパネルの製品と、瓦の種類・屋根の状態で変わる

瓦屋根への取り付け方:支持金具と支持瓦

主な方法は2つ

前述のQ&Aでは、屋根材別の主な取り付け方として、瓦(和瓦・平板瓦など)には支持瓦と支持金具が挙げられています。太陽光発電協会の資料でも、屋根に取り付ける金具として「瓦用支持金具」と「瓦用支持瓦」が紹介されています。

方法どんな方法か
支持金具を使う方法瓦を外して、瓦の下の屋根の骨組み(垂木)などに金具を固定し、瓦を戻す
支持瓦を使う方法架台を固定できる形に作られた瓦(支持瓦)を、元の瓦と置き換える

金具や支持瓦の上に架台のレールを取り付け、その上に太陽光パネルを並べます。

瓦は外せるので、骨組みに固定しやすい

シャープは、自社の設置工法の案内で、瓦は取り外せるため、垂木にビスで固定する「垂木固定」を行いやすいとしています。また、和瓦用と平板瓦用の支持瓦を用意していること、セメント瓦を含む多くの瓦屋根に設置できることを案内しています(同社の工法についての案内です)。

前述のQ&Aでも、垂木などの屋根の主要な骨組みや補強板に留め付けることで、防水層(防水シート)を傷めるのを最小限に抑え、確実に止水処理をすることが重要としています。取り付けに使うネジなどは、メーカーのマニュアルで指定されたものを使い、マニュアルで指定された方法で防水処理をすることが求められています。

どの方法になるかは、使うパネルのメーカー・製品と、瓦の種類・屋根の状態で変わります。シャープも、パネルの機種によって施工法が違う場合があるとしています。

瓦と一体になった太陽光もある(別のタイプ)

ここまでの方法は、今ある屋根材の上に架台を付けて載せる「屋根置き型」です。これとは別に、太陽光パネル自体が屋根材の役割をする「屋根建材型」(屋根材一体型など)もあります。前述のQ&Aでは、屋根建材型は製品ごとに構造や取り付け方が違うため、メーカーの施工説明書に従うこと、屋根の勾配や下地などの条件を満たしているか事前に確かめることが必要としています。

この記事では、今ある瓦屋根に載せる「屋根置き型」について解説します。

瓦屋根ならではの注意点

1. 瓦屋根は、もともと「重い屋根」

前述のQ&Aでは、建築基準法で屋根は「重い屋根」と「軽い屋根」に分けられ、陶器瓦・セメント瓦は重い屋根の例として挙げられています。陶器瓦の重さは、瓦だけで1㎡あたり50〜60kg程度とされています。

屋根材(屋根材だけの重さ)1㎡あたり
陶器瓦(重い屋根)50〜60kg程度
化粧スレート(軽い屋根)18〜21kg程度
金属板(軽い屋根)5〜6kg程度

※出典:「戸建住宅の太陽光発電システム設置に関する Q&A」(環境共生住宅推進協議会・2023年)。屋根の下地や太陽光の重さは含みません

同じQ&Aでは、今ある瓦屋根に太陽光を載せる場合の注意として、次のように書かれています。

  • 瓦屋根はスレートなどの屋根と比べて屋根の重さが大きいため、太陽光を載せたあとの屋根の重さが、家を設計したときに想定していた重さを大きく上回り、十分な安全性を確保できない可能性がある
  • その場合は、瓦を軽い屋根材に換えてから太陽光を載せる、瓦を外して屋根建材型の太陽光を設置する、または適切な耐震補強をすることを検討する

なお、同じQ&Aの試算(2階建て・屋根の面積約100㎡の家に4kWを載せる想定)では、太陽光を載せたときに増える屋根の重さの割合は、瓦屋根で約8〜9%、化粧スレートの屋根で約20〜26%とされています。瓦屋根は増える割合こそ小さいものの、もともとの屋根が重いため、載せたあとの重さが家の設計で想定した範囲に収まるかを確かめる必要がある、ということです。

建てた年(確認申請の時期)ごとの確かめ方や、重さの計算の例は、こちらで解説しています。

→ 太陽光パネルの重さは何kg?屋根と建物への負担と確かめ方

2. 工事のときの瓦の割れ・すき間

太陽光発電協会の資料では、太陽光の事故の例として、施工のときに割れた瓦の部分からの漏水が挙げられています。

前述のQ&Aにも、国土交通省 国土技術政策総合研究所の研究報告から、太陽光を設置するための支持瓦と、まわりの瓦の大きさが違っていたため、大きなすき間から瓦の内側へ雨水が入った例が載っています。

このように、工事の作業で瓦が割れたり、支持瓦や金具がまわりの瓦に合っていなかったりすると、そこから雨水が入るおそれがあります。ご自宅の瓦に合った金具・支持瓦を使い、メーカーの施工方法どおりに取り付けることが大切です。

3. 瓦の下の防水シート・野地板の傷みは見えにくい

前述のQ&Aでは、今ある家に太陽光を載せる前の調査として、次のことを確かめる必要があるとしています。

  • 雨漏りの有無:見つかった場合は、太陽光の工事の前に補修しておく
  • 野地板の傷み
  • 防水シートの傷み(必要な場合は、屋根材を一部外して確かめる):傷んでいる部分は工事の前に補修・補強する。傷みが著しい場合は、耐久性の高いものに交換する必要がある
  • 垂木の間隔・位置のずれ:図面と違う場合は、取り付け方に反映する

瓦の下の防水シートや野地板の傷みは、外からは見えにくいものです。同じQ&Aでは、外から目で見るほか、必要に応じて屋根裏(小屋裏)からも確かめることとされています。

瓦屋根で気をつけたい3つのこと。1 もともと重い屋根:陶器瓦は瓦だけで1㎡あたり50〜60kg程度(化粧スレートは18〜21kg程度、金属板は5〜6kg程度)。載せたあとの重さに家が耐えられるかを確かめる。2 工事のときの瓦の割れ・すき間:割れた瓦の部分からの漏水や、支持瓦とまわりの瓦の大きさが違い、すき間から雨水が入った例がある。瓦に合った金具・支持瓦を、メーカーの施工方法どおりに取り付ける。3 瓦の下の防水シート・野地板の傷み:外からは見えにくい。必要に応じて屋根裏からも確かめ、工事の前に補修する

古い瓦屋根なら、屋根の手入れも一緒に考える

前述のQ&Aでは、太陽光を載せると、その下に隠れる屋根材の手入れや交換が難しくなるとしています。屋根の手入れが必要になったときは、太陽光パネルをいったん外す必要があり、費用と手間がかかるほか、外すことで太陽光に不具合が出る可能性も考えられる、とされています。

そのため同じQ&Aでは、今ある家に太陽光を載せるタイミングに合わせて、屋根材を新しく交換することや、今の屋根材の手入れをすることも考えられるとしています。屋根や下地の改修・補強が必要な場合は、太陽光の施工会社と屋根の工事会社との協議・調整が必要、とも書かれています。

築年数がたった瓦屋根に載せるなら、

  • 防水シートや野地板は、太陽光を使う年数のあいだもつ状態か
  • 漆喰(しっくい)や棟(屋根のてっぺん)の瓦など、近いうちに手入れが要りそうな所はないか
  • 屋根の葺き替えを考えているなら、太陽光を載せる前に済ませるか

を、載せる前に考えておくと安心です。

太陽光を載せたあとで屋根の葺き替えをする場合は、パネルをいったん外して載せ直すことになります。外すときの費用の考え方は、こちらで解説しています。

→ 太陽光パネルの撤去費用はいくら?住宅用は積立制度の対象外

瓦屋根に載せる前に確かめること

前述のQ&Aと太陽光発電協会の資料をもとに、瓦屋根に載せる前に確かめておきたいことをまとめます。

確かめること内容
瓦の種類和瓦・平板瓦・セメント瓦など。使う製品の金具・支持瓦が対応しているか
屋根の形
と勾配
使う製品の設置条件(勾配・屋根の端からの距離など)に合っているか
建物の強さ瓦屋根は重い屋根。太陽光を載せたあとの重さに家が耐えられるか(図面・耐震診断・構造計算など)
雨漏りの有無雨漏りがあれば、工事の前に補修する
防水シート・
野地板
傷みがないか。必要なら屋根材を一部外したり、屋根裏から確かめたりする
瓦の割れ・ずれ工事の前から割れやずれがないか
取り付け方
と防水
支持金具か支持瓦か。どこに固定し、どう防水するか
施工する会社パネルのメーカーの研修を受けて施工IDを取得しているか。屋根工事の知識と経験があるか

施工会社について、前述のQ&Aでは、パネルのメーカーの施工方法の研修を受けて施工ID(メーカーの標準的な工事を行うことを許可する資格)を取得した会社に頼むこと、あわせて日本のさまざまな屋根に対応できるよう、屋根工事の専門的な知識と経験がある会社であることが望ましい、としています。

家の図面(設計図書)が手元にあれば、見積もりの前に用意しておくと確認が進めやすくなります。

省エネ相談室へのご相談

瓦屋根に太陽光パネルを載せられるかどうかは、瓦の種類、屋根の形と勾配、瓦の下の傷み具合、使うパネルの取り付け方によって変わります。そのため、「瓦屋根ならどこでも載せられる」「瓦屋根は載せられない」とは一概には言えません。

省エネ相談室では、現地で屋根の形や日当たりを確かめ、載せられるかどうか、何枚・何kW載るかをご案内しています。無料のシミュレーションもしていますので、「うちの瓦屋根でも載せられる?」「築年数がたっているけれど大丈夫?」といったご相談も、お気軽にどうぞ。

無料相談・お見積りはこちら

福岡県内の施工事例は、施工事例一覧でメーカーや容量とあわせてご覧いただけます。お住まいの市町の事例は、対応エリアのページから探せます。

→ 施工事例一覧

→ 対応エリア

よくある質問

瓦屋根に太陽光パネルは載せられますか?

載せる方法はあります。主な方法は、瓦を外して屋根の骨組み(垂木)などに金具を固定する方法と、金具の付いた瓦(支持瓦)に置き換える方法です。ただし、瓦の種類や屋根の傷み具合、家の強さによっては、補修・補強や屋根材の交換が先に必要になることがあります。

瓦屋根に太陽光を載せると、雨漏りしやすくなりますか?

必ず雨漏りするわけではありませんが、施工のしかたによっては原因になります。太陽光発電協会の資料には施工のときに割れた瓦からの漏水の例が、国の研究報告には支持瓦とまわりの瓦の大きさが違って、すき間から雨水が入った例が載っています。瓦に合った金具・支持瓦を使い、メーカーの施工方法どおりに防水処理をすることが大切です。どのように防水するかは、施工する会社に確かめましょう。

古い瓦屋根でも載せられますか?

屋根と建物の状態しだいです。瓦の下の防水シートや野地板が傷んでいれば、工事の前に補修や交換が必要です。瓦屋根はもともと重い屋根のため、建物の強さも確かめる必要があります。載せたあとは屋根の手入れが難しくなるため、葺き替えや手入れを先に済ませることも考えられます。

セメント瓦にも載せられますか?

業界団体の資料では、瓦屋根の屋根材としてセメント瓦も挙げられており、セメント瓦を含む多くの瓦屋根に設置できるとしているメーカーもあります。使う製品が対応しているか、瓦や下地の傷み具合はどうかを確かめる必要があります。

まとめ

  • 載せる方法はある:瓦を外して骨組みに金具を固定する方法と、金具付きの瓦(支持瓦)に置き換える方法が主な方法。瓦は外せるので、骨組みに固定しやすい
  • 瓦屋根は重い屋根:陶器瓦は瓦だけで1㎡あたり50〜60kg程度。載せたあとの重さに家が耐えられるかを確かめる。軽い屋根材への交換や耐震補強を検討することも
  • 雨漏りを防ぐ:工事のときの瓦の割れや、支持瓦とまわりの瓦のすき間から雨水が入った例がある。瓦に合った金具・支持瓦を使い、メーカーの施工方法どおりに取り付ける
  • 瓦の下を確かめる:雨漏り、防水シート・野地板の傷みは、工事の前に補修する
  • 古い瓦屋根は手入れも一緒に:載せたあとは屋根の手入れが難しくなる。葺き替えや手入れのタイミングもあわせて考える

お電話でのお問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

メールでのお問い合わせ