訪問販売などで法律(特定商取引法)に違反し、行政処分を受けた事業者は、消費者庁の「特定商取引法ガイド」で調べられます。消費者庁・地方の経済産業局・都道府県が行った処分を、事業者名や商品・取引の種類で検索できます。これとは別に、全国をまとめた「悪質業者一覧」という名簿はありません。
この記事では、行政処分の調べ方、国民生活センターが公表した太陽光・蓄電池まわりの相談の傾向、法律で禁止されている勧誘と、うその説明で結んだ契約の取消しをまとめます。

目次
行政処分の調べ方(特定商取引法ガイド)
行政処分は、国のサイトで5年間公表されている
訪問販売や電話勧誘などのルールを決めた法律が、特定商取引法です。違反した事業者には、業務停止命令や指示などの行政処分が出され、事業者名と処分の内容が公表されます。
消費者庁の「特定商取引法ガイド」の「執行状況」には、消費者庁・地方の経済産業局・都道府県が行った処分がまとめて掲載されています。掲載されるのは、原則として、処分日の属する年度の翌年度の始めから5年間です。
検索の手順
- 消費者庁の「特定商取引法ガイド」(https://www.no-trouble.caa.go.jp/)を開く
- 「執行状況」から、年度別の一覧を見るか、「執行事例の検索」を開く
- 「取引類型」で「訪問販売」を選ぶ(電話で勧誘された場合は「電話勧誘販売」)
- 「商品・役務」の欄に「蓄電池」「太陽光」などの言葉を入れる。社名がわかっていれば「事業者名」に入れる
- 必要に応じて「処分日」の範囲を指定して検索する
検索画面では、ほかに「処分内容」「違反行為」「処分行政庁」「適用条項」でも絞り込めます。
処分の公表では、商品が「蓄電池」「太陽光発電」ではなく、別の品目名で載っていることもあります。商品名で見つからないときは、事業者名や処分日の範囲でも探してみましょう。
また、検索で見つからないことは、「その会社に問題がない」ことの証明にはなりません。処分は、違反が確認されたあとに出るものだからです。

国民生活センターが公表した、相談の傾向
家庭用蓄電池の相談は、2016年度から2020年度で約4倍に
国民生活センターは2021年6月に「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」を公表しました。全国の消費生活センターなどに寄せられた家庭用蓄電池の相談件数は、次のとおりです。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2016年度 | 325件 |
| 2017年度 | 553件 |
| 2018年度 | 926件 |
| 2019年度 | 1,302件 |
| 2020年度 | 1,314件 |
※PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に、2021年4月30日までに登録された件数。消費生活センター等からの経由相談は含まれていません
国民生活センターは、相談の傾向として、事業者の突然の訪問などをきっかけに「この値段は今日限り」などと購入を急かされたり、長時間勧誘されて、冷静に十分な検討ができないままその場で契約しているケースが目立つ、としています。
公表された相談事例
国民生活センターが相談事例として紹介しているのは、次の1件です(要旨)。
太陽光パネルの無料点検で訪問した事業者に、うその説明で勧誘された
「市から委託された」と太陽光パネルの無料点検で訪問した事業者に、「売電するための装置の一部が壊れている」「太陽光パネルが破損している可能性が高い」などと説明された。「売電するための装置の修理をするよりも家庭用蓄電池を購入した方がいい」と勧誘され、「国の補助金が出るので安くなる」とも言われて、約200万円の家庭用蓄電池を契約した。ところが後日、工事担当者からは「売電するための装置は壊れていない」と言われた。
ほかに寄せられた相談の例
国民生活センターは、ほかにも次のような相談が寄せられているとしています。
すでに太陽光発電設備を入れている人への勧誘:
- 以前太陽光パネルを契約した事業者に、契約金額等について十分な説明なく勧誘された
- 「今なら工事費、設置費無料」等と長時間勧誘された
- 事業者から「補助金の申請は代行する」と説明されたが、実際は申請されていなかった
太陽光発電設備を入れていない人への勧誘:
- 電力会社の関連会社を名乗る事業者に「電気料金が安くなる」と勧誘された
- 「安くできるのはあと2件」等と急かされ、よく検討せずに契約してしまった
国民生活センターが挙げた問題点
- 契約のきっかけは主に事業者の突然の訪問で、虚偽の説明をされているケースも
- 事業者の断定的な説明や強引な勧誘により、冷静に十分な検討ができないケースも
- 契約後の設置工事や補助金をめぐるトラブルも

法律で禁止されている勧誘:こんなことを言われたら要注意
特定商取引法では、訪問販売の事業者に次のことを義務づけ、また禁止しています(消費者庁「特定商取引法ガイド」より)。
勧誘の前に、名乗らなければならない
事業者は、勧誘の前に、事業者の名前、契約の勧誘が目的であること、売るものの種類を伝えなければなりません。
断ったら、その場でも後日でも勧誘を続けてはいけない
契約しないとはっきり伝えた人に、そのまま勧誘を続けること、後日あらためて勧誘することは禁止されています。
うそをつく・大事なことを隠す・おどすことは禁止
- 事実と違うことを言う
- わざと(故意に)大事なことを言わない
- おどして困らせる
勧誘の目的を隠して呼び出し、閉じた場所で勧誘することも禁止
勧誘の目的を隠して呼び出した人を、ほかの人が出入りしない場所で勧誘することも禁止されています。
うその説明で契約したときは、取り消せる
訪問販売で、事業者が事実と違うことを言ったため、それを事実だと思い込んで契約した場合や、故意に大事な事実を言わなかったため、その事実がないと思い込んで契約した場合は、契約を取り消せます(特定商取引法第9条の3)。
取り消せる期間は、取り消せることに気づくなど、追認できる時から1年、または契約から5年のうち、早いほうまでです。
また、通常必要な量を大きく超える契約をした場合は、契約から1年間は解除できる決まり(過量販売の解除)もあります。
クーリング・オフ(書面を受け取った日から8日以内の解約)と、消費者ホットライン「188」への相談については、こちらの記事にまとめています。
悪質な業者に当たらないために、国民生活センターのアドバイス
国民生活センターは、次のことを呼びかけています。
- 事業者の突然の訪問に対しては、事業者名や目的等をしっかり確認する
- 家庭用蓄電池導入のメリットだけではなく、それに伴うコストも十分考慮する
- 必ずしも余剰電力の売電より自家消費する方が経済的なメリットが大きいとは限らない
- その場で契約をせずに複数社から見積もりをとり比較検討する
- 契約するときは契約書の内容をしっかり確認する
- トラブルになったときには消費生活センター等に相談する
見積もりを比べるには、相場を知っておくことが役に立ちます。
省エネ相談室では、無料でシミュレーションをしています。お気軽にご相談ください。
よくある質問
太陽光発電の悪質業者の一覧はどこで見られますか?
全国をまとめた「悪質業者一覧」という名簿はありません。特定商取引法にもとづく行政処分は、消費者庁の「特定商取引法ガイド」の「執行状況」「執行事例の検索」で調べられます(原則として5年間掲載)。
行政処分の検索で見つからなければ、安心できますか?
安心の証明にはなりません。処分は違反が確認されたあとに出るものです。また、商品が別の品目名で載っていることもあります。見積もりの比較や、契約書の確認とあわせて判断してください。
うその説明で契約してしまいました。取り消せますか?
訪問販売で、事実と違う説明を事実だと思い込んで契約した場合などは、特定商取引法にもとづいて取り消せます。期間は、追認できる時から1年、または契約から5年のうち早いほうまでです。迷ったら消費者ホットライン「188」に相談してください。
まとめ
- 行政処分の調べ方:消費者庁の「特定商取引法ガイド」で、取引類型・商品・事業者名・処分日から検索できる(原則5年間掲載。別の品目名で載ることもある)
- 相談の傾向:家庭用蓄電池の相談は2016年度から2020年度で約4倍。突然の訪問・急かす・長時間の勧誘・補助金をめぐるトラブル(国民生活センター)
- 法律:名乗る義務、断ったあとの勧誘の禁止、うそ・故意の不告知・おどしの禁止
- 取消し:うその説明で結んだ訪問販売の契約は、追認できる時から1年・契約から5年まで取り消せる