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太陽光を付けても電気代が安くならない5つの理由と確かめ方
太陽光を付けても電気代が安くならない5つの理由と確かめ方

太陽光発電を付けたのに、電気代の請求額があまり下がっていない。むしろ上がった月もある。そんなときは、故障を疑う前に確かめたいことがあります。

電気代の請求額は「買った電気の量」と「電気の単価」で決まります。太陽光が減らすのは、このうち買った電気の量だけです。単価が上がった月や、使う量が増えた月は、太陽光が働いていても請求額が下がらないことがあります。

電気代が下がらないように見える理由は、主に次の5つです。

1. 電気の単価が上がった:再エネ賦課金・燃料費調整・国の支援の終了・基本料金の見直し

2. 電気代から減るのは自家消費の分だけ:売った電気の代金は、請求額とは別に計算される

3. 季節で発電量が変わる:冬は発電が少なく、使う量は多い

4. 使う電気の量が増えた:オール電化・家族構成・暮らし方の変化

5. 機器が止まっている、設定が合っていない:パワコンの停止、蓄電池の運転モードなど

この記事では、福岡で九州電力から電気を買っているご家庭を例に、それぞれの理由と、検針票とモニターで確かめる手順をまとめます。

電気代の請求額のしくみ。太陽光が減らすのは「買った電気の量」だけ。請求額は、基本料金(契約電流30Aなどで決まり、毎月かかる。太陽光では減らない)+買った電気の量(kWh。明細の使用量で、家で発電して使った分は入らない。太陽光で減る)×単価(電力量料金・燃料費調整・再エネ賦課金。月・年度で変わる)

まず確かめる:「金額」ではなく「買った電気の量(kWh)」で比べる

太陽光の効果を確かめるときは、請求額(円)ではなく、使用量(kWh)を比べます。電気の明細に書かれている使用量は、電力会社から買った電気の量です。太陽光で発電して家で使った電気は、ここには入りません。

比べ方分かること
太陽光を付ける前の年と、付けたあとの年の同じ月の使用量(kWh)買う電気が実際に減ったか
同じ月の請求額(円)単価の変化も混ざるため、太陽光の効果だけは分からない

同じ月どうしで比べるのは、季節で発電量も使う量も変わるためです(理由3)。使用量(kWh)が減っていれば、太陽光は買う電気を減らしています。そのうえで請求額が下がっていないなら、単価が上がった(理由1)可能性が高いと考えられます。

理由1:電気の単価が上がった

同じ量の電気を買っても、請求額は月ごとに変わります。九州電力の従量電灯B(一般的なご家庭向けのプラン)の場合、請求額は次の要素で決まります。

要素中身変わり方
基本料金契約電流(30Aなど)で決まる使用量に関係なくかかる。2026年11月1日から見直し
電力量料金使った量×単価(使う量が多いほど単価が上がる3段階)2026年11月1日から見直し
燃料費調整額使った量×燃料費調整単価燃料の価格に合わせて毎月変わる
再エネ賦課金使った量×賦課金単価毎年度、国が決める

このうち、太陽光で減らせるのは「使った量」に比例する部分です。基本料金は、太陽光があっても毎月かかります。

再エネ賦課金は2026年度に1kWhあたり4.18円

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)は、太陽光などの電気を国の制度で買い取る費用を、電気を使うすべての人が使用量に応じて負担するものです。単価は全国一律で、毎年度、国が決めます。

年度単価(1kWhあたり)九州電力の適用期間(従量電灯)
2025年度3.98円2025年5月分〜2026年4月分
2026年度4.18円2026年5月分〜2027年4月分

九州電力のモデル家庭(従量電灯B・30A・月250kWh)では、再エネ賦課金は2026年4月分の995円から、5月分は1,045円になりました。

再エネ賦課金は「賦課金単価×ご使用量(kWh)」で計算します(九州電力)。明細のご使用量は電力会社から買った電気の量なので、家で発電して使った電気はこの計算に入りません。

燃料費調整は毎月変わり、数か月前の燃料価格で決まる

燃料費調整は、原油・液化天然ガス・石炭の価格に合わせて、電気の単価を毎月上げ下げする仕組みです。九州電力の場合、3か月間の燃料価格の平均が、数か月あとの電気料金に反映されます(たとえば1〜3月の燃料価格は6月分の電気料金に反映)。

そのため、燃料の価格が上がった時期のあとは、同じ量を使っても請求額が上がります。太陽光を付けた時期と、燃料の価格が上がった時期が重なると、「付けたのに下がらない」と感じやすくなります。

国の「電気・ガス料金支援」は期間限定

国の「電気・ガス料金支援」があった月は、その分だけ電気代が安くなっています。支援が終わると、使う量が同じでも請求額は上がります。

九州電力の従量電灯Bでは、2026年10月分の燃料費調整単価に、国の支援による割引(1kWhあたり3.50円)が含まれていました。11月分には、この割引はありません。

2026年11月1日から、基本料金が上がる

九州電力は、送配電の料金(託送料金)の見直しを受けて、2026年11月1日の使用分から新しい料金単価になります。従量電灯Bでは、電力量料金の単価はわずかに下がる一方、基本料金が上がります。

従量電灯B2026年10月31日まで2026年11月1日から
基本料金(30A)948.72円1,325.07円
基本料金(40A)1,264.96円1,766.76円
電力量料金(最初の120kWhまで)18.37円/kWh18.33円/kWh
電力量料金(121〜300kWh)23.97円/kWh23.93円/kWh
電力量料金(301kWh〜)26.97円/kWh26.93円/kWh

※単価は税込。燃料費調整と再エネ賦課金は、この表とは別にかかります

基本料金は太陽光では減らせません。太陽光で買う電気を減らしている家ほど、請求額に占める基本料金の割合が大きいため、上がった分が目立ちやすくなります。

九州電力のモデル家庭で見ると

同じ量(月250kWh)を使うモデル家庭でも、請求額はこのように変わっています。

月お支払い額前の月との差主な理由
2026年4月分7,134円-国の支援による割引(▲375円)を含む
2026年5月分7,569円+435円再エネ賦課金が3.98円→4.18円に。4月分にあった国の支援による割引が含まれていない
2026年10月分6,876円-国の支援による割引(▲875円)を含む
2026年11月分8,115円+1,239円国の支援がなくなった。11月1日からの料金見直し(+366円)を含む

※九州電力の発表(従量電灯B・30A・250kWh。消費税・口座振替割引・燃料費調整・再エネ賦課金を含む)。11月分は、見直し後の料金をひと月通じて当てはめた場合の額

九州電力の試算では、使う量が同じでも、10月分から11月分で1,200円以上変わります。太陽光を付けて買う量が減っていても、こうした月は請求額だけを見ると下がっていないように見えます。

九州電力のモデル家庭(従量電灯B・30A・月250kWh)の請求額。2026年4月分7,134円→5月分7,569円で435円増(再エネ賦課金が3.98円から4.18円に。4月分にあった国の支援による割引375円が5月分には含まれていない)。10月分6,876円→11月分8,115円で1,239円増(国の支援がなくなった。10月分は割引875円を含む。11月1日からの料金見直し366円を含む)

理由2:電気代から減るのは「自家消費した分」だけ

太陽光で発電した電気は、まず家で使われ(自家消費)、余った分が電力会社に売られます(売電)。電気代の請求額が減るのは、自家消費した分だけです。売った電気の代金は、電気代の請求額とは別に計算されます(受け取り方は、契約によって違います)。

全国平均では、発電した電気の6割以上を売っている

国の資料では、住宅用の太陽光で、発電した電気のうち家で使った割合(自家消費率)は、全国平均で35.2%でした(2025年1〜8月の実績。ダブル発電〈エネファームなどとの併設〉を除く)。

省エネ相談室が福岡県内で設置した太陽光107件の平均容量(6.20kW)で、国の想定値で計算すると、1か月の発電量は平均で約620kWhです。自家消費率が全国平均の35.2%なら、

1か月の目安電気代への効果
家で使う(自家消費)約218kWh買う電気が減り、請求額が下がる
売る(売電)約402kWh請求額は変わらない。売電の代金として別に入る

※自家消費率は家庭の暮らし方で大きく変わります。全国平均で計算した目安です

発電量の6割以上が売電に回っている場合、太陽光の効果の多くは「電気代が下がる」ではなく「売電の代金が入る」形で表れます。太陽光の効果は、電気代の減った分と、売電の代金を足して見る必要があります。

太陽光は昼しか発電しない

太陽光は夜は発電しないため、夜や朝夕に使う電気は、これまでどおり電力会社から買います。昼に家を空けていることが多いご家庭は、昼の電気の多くが売電に回り、電気代はあまり下がりません。

売電の単価は途中で下がる

売電の代金も、年数によって変わります。2026年度に国の認定を受けた住宅用の太陽光は、売電の単価が1〜4年目は24円、5〜10年目は8.3円です(2025年10月以降の認定から、この二段階の形です)。10年の買取期間が終わると(卒FIT)、九州電力に売る場合の買取単価は7.00円です。

二段階の単価の家は5年目に、どの家も11年目に売電の代金が減ります。そのとき、電気代とあわせた家計の負担が増えたように感じることがあります。電気代そのものが上がったのではないので、分けて確かめましょう。

理由3:季節で発電量が変わる

太陽光の発電量は、季節で大きく変わります。福岡の日射量(気象庁の平年値)で6.20kWの太陽光の発電量を見積もると、いちばん多い5月は約871kWh、いちばん少ない12月は約331kWhで、2.6倍の差があります。

冬は発電が少ないうえに、暖房で使う電気が増えます。夏はエアコンで使う電気が増えます。そのため、「先月より上がった」という比べ方では、太陽光の効果は分かりません。比べるのは、前の年の同じ月の使用量(kWh)です。

福岡の月別の発電量の目安は、こちらでまとめています。

→ 太陽光発電の発電量の目安|容量別・福岡の月別データ

理由4:使う電気の量が増えた

太陽光を付けた時期に、電気を使う量そのものが増えていることがあります。

変化電気代への影響
オール電化にした(エコキュート・IHにした)ガスの分が電気に移るため、電気代は上がる。ガス代とあわせた光熱費で比べる
家族が増えた、在宅の時間が増えた使う量が増える
エアコン・乾燥機などの家電が増えた使う量が増える
電気自動車を充電するようになった使う量が増える

特にオール電化にした場合は、電気代だけを見ると上がることがあります。ガスの基本料金や使用料がなくなった分も含めて、光熱費の合計で比べましょう。オール電化の費用と光熱費の変わり方は、こちらで解説しています。

→ オール電化の費用は?太陽光と同時に入れる場合の内訳と補助金

理由5:機器が止まっている、設定が合っていない

ここまでの理由に当てはまらないのに、買う電気の量(kWh)が前の年の同じ月から減っていない場合は、機器の状態を確かめます。

モニターで発電量を確かめる

まず、モニターで発電量が出ているかを見ます。晴れた日の昼に発電量が0のままなら、パワーコンディショナ(パワコン)が止まっているなど、機器の不調の可能性があります。パワコンの表示ランプやエラー表示を確かめ、設置した会社に連絡しましょう。

発電量が以前より少しずつ下がっている場合は、影・汚れ・経年劣化なども考えられます。原因は、点検で確かめるのが確実です。

→ 太陽光のメンテナンスは何をする?点検の時期と費用の目安

蓄電池がある家は、運転モードを確かめる

蓄電池がある場合、運転モードで「余った電気を貯めて使う」か「余った電気を売る」かが変わります。売電を優先するモードのままだと、昼の余った電気が売電に回り、夜は電力会社から買うため、電気代はあまり下がりません。どちらがよいかは、売電の単価と、買う電気の単価のどちらが高いかで考えます。

→ 蓄電池の運転モードはどれがいい?グリーンと売電の選び方

「出力制御で止められている」は、家の太陽光(10kW未満)では当面ない

九州では、太陽光の発電を一時的に止める「出力制御」が行われることがあります。ただし、住宅用(10kW未満)の太陽光は、国の整理で当面の間、出力制御の対象外とされています。

→ 九州電力の出力制御とは?家の太陽光(10kW未満)は対象?

確かめる手順(チェックリスト)

順確かめること見るところ
1前の年の同じ月と比べて、使用量(kWh)が減っているか電気の明細(九州電力のWebサービスなど)
2単価が上がっていないか(再エネ賦課金・燃料費調整・国の支援・基本料金)明細の内訳。九州電力の公式ページ
3売電の代金がいくら入っているか。電気代の減った分と足すといくらか売電の明細
4使う電気の量が増える変化がなかったか(オール電化・家族・家電・電気自動車)暮らしの変化。オール電化ならガス代とあわせた光熱費
5晴れた日の昼に発電しているか。エラー表示が出ていないかモニター・パワコン
6蓄電池がある場合、運転モードが今の売電単価に合っているか蓄電池のリモコン・モニター

1で使用量(kWh)が減っていれば、太陽光は買う電気を減らしています。請求額が下がらない理由は、2〜4にある可能性が高いと考えられます。1で減っていない場合は、5・6を確かめましょう。

電気代を下げるために、できること

太陽光で電気代を下げる効果は、自家消費をどれだけ増やせるかで決まります。国の資料で、自家消費した電気の価値は1kWhあたり27.45円(2026年度の算定に使う想定値)とされています。5〜10年目の売電単価8.3円の3倍以上です。

方法費用考え方
電気を使う時間を昼に寄せるかからない洗濯乾燥・食洗機・掃除などを、晴れた日の昼に使う
エコキュートを昼に沸かす機能があれば、かからない余った電気をお湯にして使う。機能と料金プランを確かめる
蓄電池を入れるかかる昼の余った電気を夜に使える。ただし、電気代の削減だけで元を取るには長い年数がかかる

蓄電池は、電気代の削減だけで考えると回収に長い年数がかかります。停電への備えなど、ほかの目的とあわせて考えましょう。

省エネ相談室へのご相談

省エネ相談室にアンケートをいただいたお客様1,301件(2022年〜2026年)の中にも、「太陽光発電の設置で本当に元が取れるのか?」「期待した発電量が得られるか。」といった声がありました。設置の前から、電気代や発電量を気にされる方は少なくありません。

省エネ相談室では、ご自宅の状況や電気の使い方を確かめたうえで、プランとお見積りをご案内しています。調査・お見積りは無料です。無理な営業はいたしません。

無料相談・お見積りはこちら

よくある質問

太陽光を付けたのに、電気代が前より上がったのはなぜですか?

電気の単価が上がった可能性があります。2026年度は再エネ賦課金が1kWhあたり3.98円から4.18円に上がり、国の「電気・ガス料金支援」も期間限定です。九州電力では2026年11月1日から基本料金も上がります。請求額ではなく、前の年の同じ月の使用量(kWh)で比べると、太陽光の効果が分かります。

売電の代金は、電気代から差し引かれますか?

電気代の請求額が減るのは、家で使った(自家消費した)分だけです。売った電気の代金は、電気代とは別に計算されます。受け取り方は契約によって違うため、売電の明細で確かめてください。太陽光の効果は、電気代の減った分と売電の代金を足して見ます。

太陽光を付ければ、電気代はゼロになりますか?

なりにくいです。太陽光は夜は発電しないため、夜や朝夕の電気は買います。基本料金も毎月かかります。国の資料では、住宅用の太陽光の自家消費率は全国平均で35.2%で、発電した電気の6割以上は売電に回っています。

冬になって電気代が上がりました。故障ですか?

故障とは限りません。福岡では、12月の発電量は5月の半分以下になり、暖房で使う電気も増えます。前の年の同じ月の使用量(kWh)と比べてください。晴れた日の昼に発電量が0のままなら、機器の不調の可能性があるため、設置した会社に連絡しましょう。

九州電力の出力制御で、家の太陽光が止められていませんか?

住宅用(10kW未満)の太陽光は、国の整理で当面の間、出力制御の対象外とされています。発電量が少ないと感じる場合は、天候・季節・機器の状態を確かめてください。

まとめ

  • 電気代の請求額は「買った電気の量」と「単価」で決まる。太陽光が減らすのは買った電気の量だけ。効果は、前の年の同じ月の使用量(kWh)で確かめる
  • 単価は変わる。2026年度は再エネ賦課金が4.18円/kWhに上がり、燃料費調整は毎月変わる。国の支援は期間限定で、九州電力は2026年11月1日の使用分から基本料金が上がる
  • 電気代が減るのは自家消費の分だけ。全国平均では発電の6割以上を売電しているため、電気代の減った分と売電の代金を足して見る
  • 冬は発電が少なく使う量が多い。オール電化にした家は、ガス代とあわせた光熱費で比べる
  • 使用量(kWh)が減っていないときは、モニターで発電を確かめ、蓄電池の運転モードも見直す
  • 電気代を下げる効果は、自家消費をどれだけ増やせるかで決まる

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